vol.042 “しまう”を考えて、理想の収納に

今の収納スペースを最大限に活かす収納術とは?

モノを買い、使い、収納する。そしてまた取り出す、という
この当たり前のサイクルを見直せば、ひょっとしたら、あなた
の住まいの収納は「十分だった」ということになるかもしれません。
今回お話を伺ったのは、収納カウンセラーの飯田久恵さん。
長年のご経験から導き出した、理想の収納について語っていただきました。

今の収納スペースを最大限に活かす収納術とは?
収納カウンセラー飯田さんの“生きた収納”をつくるアドバイス
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「しまう」のは、「後で使う」ためです。

-----まずは、飯田さんがお考えになる、理想的な収納について、基本的なことをお聞かせいただけますか。

日々のカウンセリングを通して気づかされることは、多くのみなさんが、「収納=入れる」という意識にとらわれがちだ ということです。私の考える収納とは、“しまう”ことだけが目的ではありません。あくまでも後で “使う”ために行うものです。
“使う”という目的を見落としてしまうと、モノを入れっぱなしにしたまま忘れてしまうという、いわゆる“死蔵”をつくってし まいます。つねに“使う”ことを念頭においた収納を心がけると暮らしやすい収納が実現します。
つまり、自分の生活行動と結びつけながら、モノを整理し、収納場所と方法を決め、そして使ったら元の位置に片付けるというサイクルを実行すること。私はそれが“生きた収納”だと思います。

-----理想的な収納サイクルとは、具体的にどういったものですか?

整理収納の効率をつきつめていった結果、次のような5つのステップをくり返すことが理想的な収納サイクルであるという結論にたどり着きました。

理想的な収納サイクル

最初の「整理」の段階では、自分にとって必要なモノ、不必要なモノを取捨選択し、判断することが大きな目的となります。 次の「収納」の段階では、“置き場所”と“入れ方” がふたつの柱となり、いかに簡単にモノが取り出せて、そして元に戻すことができるかを考慮し実行します。そのうえでとても役立つであろう考え方に、私が考案した「収納指数®」というものがあります。これは、モノの出し入れが面倒か楽かを数値で知ることができるんですよ。

-----「収納指数®」は、どのように使うのですか?

「収納指数®」の考え方

「収納指数®」とは、モノの置き場所までの距離としての、「歩数」と、扉や引出しなどの開閉に伴う作業数を表わした「アクション数」を足したものです。 たとえば、椅子に座ったままでも取り出せる卓上のペン立てに入ったボールペンは、「歩数」も「アクション数」もゼロ。よって「収納指数®」もゼロとなります。
一方、机から5歩離れたところにある引き出しのなかの印鑑は、机を起点として考えた場合、「歩数」は往復で10歩なので“10”、「アクション数」は引き出しを開けて、印鑑を取り出し、引き出しを閉めるという2つの動作になるため“2”(つかむ動作は含まない)。よって「収納指数®」は“12”となります。「収納指数®」が少なければ少ないほど、出し入れが手軽であり、モノが有効活用しやすいといえます。いい換えれば、「収納指数®」が少ないほど、“生きた収納”になるわけです。使用頻度の高いものは「収納指数®」が少なく、めったに使わないモノは「収納指数®」が多くても仕方がないと考えますがを置こう・・・といったように、「収納指数®」という考え方を取り入れると、ご自身の生活行動に沿った最適な収納場所や収納方法を導き出すことができるようになるんです。

-----なるほど。「収納指数®」に沿って収納場所を考えれば、 快適にモノが活用できそうですね。

ただし、「収納指数®」が少なくても、出し入れが面倒に感じられてしまう場所があります。
それは、暗くて狭かったり、引き出しが重かったり。 見えないモノは、やがて活用されなくなり、たとえ大切なものであっても、だんだんその存在が忘れられてしまうものです。そのため、すでに持っていることすら思い出せず、似たようなものを新たに購入してしまうといった無駄が生まれることもあります。これはまさに、収納が“死蔵”となってしまった結果です。

“生きた収納”から見えてくるもの

-----“生きた収納”を実践していくと、身の回りのものを 無駄なく、上手に活用できるわけですね。

そうですね。楽な収納にすると1アクションで見えるので、“足りている”ということがわかり、似たようなモノをまた買ってしまった…などといったこともなくなります。
秩序のある収納にするということは、裏返せば、無駄な買い物をしなくなるということです。スッキリと片づいた空間で快適な生活を送れるようになるのはもちろんのこと、自分の持ち物を厳選することで、自分が好きなファッションの傾向、好きな音楽のジャンル、好きなインテリアのスタイルなど、ご自身の価値観をより明確に知ることができると思います。

-----自分の持ち物を知ることで、自分自身のライフスタイルを知ることにもつながる、ということですね。

自分自身の価値観や、自分にとって大切なものが見極められれば、モノ選びにおいても無駄な迷いが徐々に削ぎ落とされ、無駄な消費を防ぐということにもつながっていくのではないでしょうか。
“生きた収納”は、生活導線を快適にして住空間をすっきりとさせるだけでなく、自分自身のライフスタイルをより明確なものにすることができる――そう考えると、収納に対する見方が少し変わり、今までとは違うモチベーションで収納に取り組めるような気がしませんか。

“生きた収納”を実践し、自分の持ち物が見えてくれば、自分自身のことも見えてくる。収納って奥深いものですね。収納にしまったまま忘れてしまっているもの、早速確認してみませんか?次は、実際に“生きた収納”を実践する上でのアドバイスをしていただきます。

収納カウンセラー飯田さんの“生きた収納”をつくるアドバイス

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飯田久恵 Name:
飯田久恵(いいだ ひさえ)
Profile:
収納カウンセラー。システムキッチンや収納家具などの設計に携わったあと、独自の「整理収納学」を体系化。1990年に収納コンサルティングの会社「ゆとり工房」を設立。自社主催の講座をはじめ、テレビ出演、執筆、講演、商品開発など活動の場は多岐に渡る。 おもな著書:
『ガラクタを捨てて、スッキリ暮らす』(大和書房)
『収納の法則(ルール)』(PHP研究所)
『「捨てる!」快適生活』(三笠書房)多数。
http://www.yutori-cobo.co.jp

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