vol.038 “窓辺”で、素敵な時間を過ごしませんか
窓辺に表情をつくる「ウィンドウトリートメント」

窓の景色を一枚の絵と捉えたとき、
その額縁を彩るのが、窓を装飾するウィンドウトリートメント。
同じ絵でも、額縁によって印象が違ってくるように、
ウィンドウトリートメントのあしらいによって、
窓辺にさまざまな表情をつくることができるのではないでしょうか。
そこでここでは、インテリアコーディネーターの塩谷博子先生に
さまざまなウィンドウトリートメントの取り入れ方を教えていただきます。

活用術1 ウィンドウトリートメントで窓の“額縁”を美しく飾ろう
インテリアコーディネーター塩谷博子さん

プロフィール

ウィンドウトリートメントの取り入れ方といっても、
「窓装飾とはこうあるべき」といった既成概念にとらわれる必要はありません。
まずは自由な発想で、窓辺にある自然を楽しく取り入れてみましょう。

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レースの二重づかいをクリスタルのタッセルでデコレート。その時間、その季節の光の変化を楽しめるのはもちろん、お部屋にエレガントなニュアンスを加えることもできます。
(写真提供:トーソー出版『プロがつくるカーテンの本』)

外の光を室内に取り込む

まず、窓といえば、光が入ってくる場所。光との親和性を意識したウィンドウトリートメントを活用すると、室内にさまざまな光の演出をすることができるのです。たとえば、光を透過するレースを二重がさねにすると、レースが重なっている部分とそうでない部分に微妙な光の濃淡が生まれます。この濃淡が時折変化しながら作り出される光の表情は、とても繊細で心地いいものではないでしょうか。また、クリスタルビーズをタッセル(カーテンを束ねる紐や飾り)にしたものをあしらうと、日が沈んだあとも、今度は室内の照明に反射してきらきらした光を楽しめます。このように、光を意識してウィンドウトリートメントの素材に少し気を配ってみるだけで、窓辺がいっそう明るく、さわやかな空間へと変化するのです。

遮へい性や調光性に優れ、モダンなインテリアにぴったりのブラインドも、最近ではさまざまなアイテムが登場しています。
例えば、アルミ羽に小さなパンチ穴をあしらったブラインドがあるのですが、これを取り入れると、室内に花柄や水玉柄といった光と影の模様が浮かび上がります。通常のアルミ製ブラインドよりも柔らかな印象を与えるので、ファブリックとも違和感なくマッチ。さらに、風に揺れる薄いレースのカーテンと組み合わせれば、光と影の模様が風のリズムに合わせてゆらゆらと変化します。
窓に差し込む陽光は、室内に光をもたらすのと同時に影も作ります。その影に変化が生まれるような仕掛けをすると、窓辺に楽しい遊びが生まれそうです。

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アルミ羽の一本、一本に細かいドットが開けられているデザインドットブラインド。ドットが作り出す光と影は、木漏れ日のように優しいものです。
(写真提供:株式会社ニチベイ)

そよぐ風を室内に呼び込む イメージ

清涼感のあるフリンジカーテンはこれからの季節にふさわしいアイテム。広い窓で爽やかな風を存分に取り入れたり、小さな窓のアクセントにしたり。自分なりのアレンジを楽しんでみてはいかがでしょう。
(写真提供:トーソー出版『プロがつくるカーテンの本』)

サラサラとした手ざわりが心地いいフリンジカーテンは、お部屋の間仕切りとしてすっかり定着した感があります。じつはこのフリンジカーテンを窓辺に飾るというアイデアは、ありそうでなかったものではないでしょうか。
フリンジカーテンで窓を装飾すると、風がそよぐたびにフリンジがゆらゆらと揺れて、窓辺にいきいきとした動きが生まれます。気になるプライバシーの確保に関しても、レースのカーテンと同じように目隠しの役目も果たすので心配ありません。ハサミでカットするだけで、長さを簡単に調節することができますし、取りつけも手軽なのでおすすめです。
風は肌で感じるものですが、こうしたウィンドウトリートメントの演出を加えることで、目でも感じられるようになるのですね。風薫るこれからの季節こそ、ぜひ窓辺に取り入れていただきたいアイデアです。

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窓の上のバランス(上飾りの一種)とテーブルチェアにはストライプ、ウィンドウシートには花柄のファブリック。異なる柄を共通カラーのブルーで統一し、特別な空間に仕立てています。
(写真提供:トーソー出版『ウィンドウデザイナーズ』)

窓の外の植物を室内に引き込む

窓の外側の庭やバルコニーには、木々や草花などのグリーンを飾っているというお宅も多いことでしょう。そうした窓辺のグリーンとインテリアをトータルコーディネートするという発想は、ちょっと難しいことのように感じられるかもしれません。でも、これらの色調を合わせるだけで、意外と手軽にトータルコーディネートをすることができるのです。
例えば、バルコニーにピンクのマーガレットが咲いているとしたら、ウィンドウトリートメントにもピンクの花柄をあしらってみてください。外の植物の色を拾って、その色でファブリックもコーディネートすることがポイントです。すると、窓辺のグリーンが室内にまで広がってきたかのような雰囲気を感じていただけることでしょう。
この、空間をつなぐというウィンドウトリートメントのアイデアは、さまざまな空間に応用できそうですね。
ちなみに、窓辺置いた椅子やソファのファブリックの色を合わせるのもいいですね。こうすると、そこだけ独立した特別な空間のようになりますから、自然と人がそこで過ごすようになるでしょう。
自然と人が集まり、にぎやかになりますし、仕事から帰ってきたお父さんも、窓越しに家族のだんらんを見ることで、ホッとした気分になれるかもしれませんね。

活用術2 小さな工夫と自由な発想でウィンドウトリートメントをさらに楽しく

ウィンドウトリートメントに使えるアイテムはさまざま。
上手に使い分けて、住まいの窓辺をもっと心地よい空間に変身させましょう。

室内の見せたい風景だけを切り取る イメージ

逆三角形のバランスと、カフェカーテン風のトップダウンシェードの間にシャンデリアのきらめきが。外を通る人の目を楽しませるウィンドウトリートメントです。
(写真提供:トーソー出版『ウィンドウデザイナーズ』)

車や人通りの多い道路に面した窓では、プライバシーを守ることも大切になってきますね。でも、窓全体を覆ってしまうと室内が暗い印象になりますし、外からも生活の気配が感じられない冷たいイメージを与えてしまいます。 ウィンドウトリートメントには、この場合、上下方向に折りたためるトップダウンシェード(上から下へ畳み下ろすタイプ)やボトムアップシェード(下から上へ畳み上げるタイプ)といったアイテムが活躍します。例えば、窓の外からはリビングのシャンデリアだけが見えるように窓の下半分を隠す、といったことができます。もし床が散らかっていたとしても、優雅なシャンデリアだけが見えていれば、外から見た人はその下が散らかっているとは想像しにくいでしょう。室内の印象的な一部分だけを切り取って、見えない場所は想像にお任せする――工夫次第で、そんな楽しい演出もできるわけです。ウィンドウトリートメントにはさまざまな形状のものがあるので、いろいろと試しながら、ご自宅が一番素敵に見える窓の切り取り方を探してみてはいかがでしょうか。

耐水性木調ブラインドでくつろぎのバスタイムに   レザーブラインドでお部屋をシャープ&シックに

バスルームのウィンドウトリートメントといえば、これまでの定番は耐水性のアルミブラインドやロールスクリーン、ビニールカーテンなどでした。しかし最近では、よりインテリア性が追求されたものもつぎつぎと登場しているのです。おすすめは、耐水性木調ブラインド。羽根に合成樹脂押出し剤を使用したもので、高い耐水性があり、見た目は木製ブラインドと同じ印象。バスルームに飾れば、しっとりと落ち着いた雰囲気を演出してくれます。

ファブリックで窓を装飾するのはもったりして好きじゃないという方もいらっしゃることでしょう。そういう方にはブラインドがおすすめなのですが、最近ではシックな皮革製のブラインドも登場しているんですよ。革張りのソファーなどと一緒にコーディネートすれば、シャープで洗練された印象の空間に仕上がります。皮革製と聞くと、お手入れが大変なのでは、と思われがちですが、じつはホコリがこびりつきにくく、メンテナンスは意外とラク。これまでとはひと味違うウィンドウトリートメントを楽しみたいという方に、おすすめしたいアイテムのひとつです。

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高級感とリラグゼーションを演出する耐水性木調ブラインド。遮へい性が高いので、プライバシーもしっかりと守ってくれそう。
(写真提供:株式会社ニチベイ)

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シャープな窓周りを演出できるレザーブラインド。ブラックのほかホワイト、ブラウンのカラーバリエーションも。
(写真提供:トーソー株式会社)

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天井と窓の間の壁に描かれたクラシカルなデコラティブ・ペイント(インテリアや小物にほどこす手描き装飾)。レースのカーテンと見事に調和し、エレガントな空間を演出しています。
(写真提供:トーソー出版『ウィンドウデザイナーズ』)

ステンシルで手軽に、アートに窓辺を飾る

窓周りにペイントをほどこすというのも、ウィンドウトリートメントのひとつ。専門の方にイメージを伝えて好きな絵を描いてもらえば、窓辺がそのままアート空間になります。ただし、そこまで費用をかけなくても、ステンシル(型紙)を用いれば、自分で簡単にペイントをすることができますよ。窓の外に植えている草花を図案化してステンシルで描いてみるなど、自分なりのアレンジをしてみてはいかがでしょうか。

はぎれとマジックテープでお手製のウィンドウトリートメントに挑戦

窓枠の上部を飾る上飾り。専用のレールがなければ取りつけられないのかというと、そんなことはありません。マジックテープを使った、ハンドメイドの上飾りを試してみませんか? 作り方はとても簡単で、窓の幅に合わせて布を裁ち、ミシンではしをかがったら、マジックテープで窓枠に貼りつけるだけ。これだけで自分好みの上飾りが完成するんです。もし汚れたり、柄に飽きてしまったりしても、ベリっとはがして別の布に貼りかえるだけで取り替えが完了してしまうので、窓辺のコーディネートがグッと楽しくなるはずです。

ウィンドウトリートメントに“ルール”はない 大切なのは「その窓に何をさせたいか」

ウィンドウトリートメントを楽しむ際に一番大切なこと、それは「その窓辺でどんな時間を過ごしたいか」というイメージを持つことではないでしょうか。くつろいだ空間で心から癒されたいなら、カーテンを左右対称に収めて落ちついた雰囲気を演出したり、元気のいいお部屋で過ごしたいなら、あえて対称を崩してリズミカルな動きを出してみたり。「その窓に何をさせたいのか」ということがはっきりしていれば、おのずと窓周りのエレメントや飾り方も決まってくるでしょう。ウィンドウトリートメントに“ルール”はありません。皆さんも自由な発想で窓辺を飾り、お気に入りの空間で、お気に入りのひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

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花柄とストライプのリバーシブルを活かしたチャーミングな子供部屋のウィンドウ。カーテンを同方向に束ねたあしらいは、室内にいるだけで元気が出てきそうなリズム感を生み出しています。
(写真提供:トーソー出版『ウィンドウデザイナーズ』)

Name:
塩谷博子
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インテリアスタイリングサロン「ファブリックワークス」代表。一般住宅やオフィス、モデルハウスのインテリアスタイリングのほか、インテリア製品の企画やデザインも手がけている。2005年にトーソー株式会社で行われたウインドウデザインコンペティションでも審査員として参加。

主な著書に『ウインドウスタイリングブック』『ウィンドウデザイナーズ』(トーソー出版)、『素敵・快適ンテリアファブリックス』(日本インテリアファブリック協会/共著)などがある。

市販のブラインドやシェードで光や風を取り込む、風景を切り取る。はぎれにひと工夫加えただけで、思いがけないお洒落な空間に変身する――自由な発想でウィンドウトリートメントを活用すれば、今ある窓辺がもっと魅力的に生まれ変わりそうですね。

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