「もっと気軽に“おもてなし”を楽しもう」では、もてなす人自身がその時間を楽しみ、ゲストとゆったりとした時間を過ごすことができれば “おもてなし”はより素敵なものになるというお話をうかがいました。 せっかく来ていただくお客様ですから、「また来たい」と思ってもらえるような、心地よい空間作りをしておきたいもの。 そこでここでは、「パーティースタイリスト」の育成を手がける関宏美先生と堀内優子先生に、“おもてなし”空間の作り方について教えていただきます。
01.
もっと気軽に“おもてなし”を楽しもう
02.
五感に響く空間で、心に残る演出を
03.
華やかなおもてなし料理を手軽に用意するためには
インタビューバックナンバー
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“おもてなし”のプロである「パーティースタイリスト」は、五感へのアプローチを意識することが大切なのだそうです。なぜ“おもてなし”に、五感へのアプローチが求められるのでしょうか。関先生にお話をうかがいました。
私はつねづね、人を家に招くということは“心に招く”ことだと考えています。 といっても、それは決して難しいことではありません。例えば庭にきれいな花が咲いているのを見つけると、「この美しい風景を誰かに見せたい」と思いませんか? そんなときに気の置けない友人を招いて、その花の美しさをともに分かち合う・・・それが“心に招く”ということなんです。 “おもてなし”の楽しさとは、そうやって人を“心に招く”ことでいっしょに感動し、想い出を共有することで心をつなぎ合うことにあるのだろうと思っているんです。
心と心をつなぎ合う想い出は、五感が強く働くことによって生まれるものなんです。 想い出とは、平たくいえば“記憶”です。“記憶”には、テスト前の丸暗記のように(笑)すぐに忘れてしまうものもありますが、目で見て、耳で聞いて、手で触って・・・といった五感の経験によって蓄積される記憶は「手続き記憶」とも呼ばれ、長く記憶とどめておくことができます。想い出となるのは「手続き記憶」のほうなんですね。 つまり、素敵な想い出が生まれる“おもてなし”とは、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚という五感のすべてが心地よくなるような空間作りが大切ということ。さらに、人は五感が心地よくなると、感性の扉が開き、嬉しさや楽しさをともに分かち合う“共感力”が高まりますので、パーティーが終わっても「また会いたいね」という気持ちでつながり合うことができるのではないでしょうか。
五感が刺激され、共感し合い、想い出が生まれる“おもてなし”空間とは、まさに心をつなぐ場所だといえます。そんな“おもてなし”空間の作り方について、堀内先生に教えていただきましょう。
視覚表現の基本は、色彩です。春なら桜、夏なら青空というように、空間の中に季節の要素を取り入れ、それを色で表現してみましょう。例えばこれからの季節は、暖かさを演出するものとしてキャンドルを利用するのもおすすめです。間接照明で雰囲気を作るのも素敵ですが、キャンドルの炎には自然なゆらぎがあるので見ている人の心を落ち着かせ、空間にドラマチックなニュアンスを与えてくれます。照明を少し落とした部屋にキャンドルをひとつ灯すだけでも雰囲気は十分ですが、よりインパクトをもたせるには、複数をまとめて置くと効果的です。 部屋のなかで、視線を集める場所を「フォーカルポイント」といいます。空間を素敵に見せるコツは、「フォーカルポイント」を部屋のどこかに作ること。部屋の入口から見て正面となる壁面を「フォーカルポイント」とするのがおすすめです。 「フォーカルポイント」を作るためには、そこに飾り棚やテーブル、チェストなどを配置し、その上に鏡や絵、ランプなどを置くといいでしょう。さらに花やキャンドルを飾ると、華やかな雰囲気を簡単に演出することができますよ。
音楽は、人と人の間にある距離を埋めてくれる存在です。たとえ初対面の人とでも、音楽を通してお互いの心が近づくこともありますし、ふとした会話の切れ目を埋めてくれる役割も果たします。そのため、パーティーには欠かせないものですが、おもてなしのシーンでは自分の趣味に走りすぎず、誰もが楽しめるような選曲にしましょう。 また、選曲に際しては時間帯やパーティー内容との相性を考えることも大切です。例えば、気軽なブランチなら、ボサノヴァ。昼間のバーベキューパーティーやガーデンパーティーなら、情熱的なラテンミュージック。そして、夜なら大人っぽいジャズやラウンジミュージック。気軽な仲間が集う場合は多少ボリュームが大きめでも構いませんが、目上の先輩がいるときや仲間との会話を楽しみたいときは音量を小さめに。いずれも、音楽を聴くのがメインではないので、ふとしたときにさりげなく耳に流れ込んでくるようなボリュームに調整しておくといいでしょう。
手触りや質感は、心地よさとつながるもの。特に、和紙や皮、石、木といった自然素材のアイテムに触れると、心がやすらぎます。そんな効果を狙って、インテリアやテーブルコーディネートの中に天然素材を取り入れてみるのもおもしろいと思います。クロスやコースター、器などに木や竹、麻といった自然のマテリアルを使ってみてはいかがでしょうか。 また、旅先で拾ってきた貝殻や松ぼっくりを部屋に飾る、といったアイデアも素敵です。「それはどこで拾ったの?」といった話題作りにもつながり、もてなす人の人となりがゲストに伝わります。
香りの演出を意識してせっかくアロマなどの芳香剤をたいても、お料理のにおいと混ざると、互いに効果を消し合うことになってしまいます。そこで提案したいのが、空間ごとに香りの主役を決めること。例えば、リビングがパーティー会場なら、香りの主役はお料理。その代わり、玄関や洗面所、お手洗いではアロマが主役という具合です。 アロマポットなどで香りをたく場合、香りの強さをどれくらいにするかもポイントです。ほどよく香らせるには、もてなす人が客観的に判断することが大切。そのためには、自分がゲストになったつもりで、アロマをたいた家に入り、香りの強さを確認してみましょう。香りの好みには個人差があり、なかには香りに敏感な人もいるので、ほのかに香るくらいにとどめておくのが無難です。
味覚、つまり料理はパーティーの中でとても大切な要素。より味覚に訴えるおもてなし料理を準備したいというときは、「赤」「緑」「黄」「白」「黒」の5色で料理をカラーコーディネートしてみてください。 この5色を使うことで、健康効果や美容効果が期待される栄養素をバランスよくとることができます。例えば、トマトの赤とバジルの緑とモッツァレラチーズの白に、黄色いオリーブオイルを加えると、味覚的にも視覚的にもおいしいという具合。この5色使いを意識して、ちょっとハーブを添えたり盛りつけを工夫したりするだけで、おいしく、美しく、栄養バランスのいいパーティーフードになります。味覚を満足させるひと工夫を、ぜひ取り入れてみてください。
五感を意識した“おもてなし”で、ゲストをその場だけ楽しませるだけでなく、素敵な想い出として長く記憶にとどめておいてもらうことができるなら、もてなす側もやりがいがありますね。 “おもてなし”の魅力をさまざまな角度からおうかがいしてきましたが、次のコーナーでは、パーティーといえば外すことのできない“おもてなし料理”についておうかがいしてみましょう。
Name: 関 宏美(せき・ひろみ) Profile:
日本パーティースタイリスト協会 常任理事、ベジタブル&フルーツマイスター、薬膳アドバイザー、「ベジフル・インナービューティー」講師。障害者支援センターや老人ホームにて6年間にわたりメイクボランティア活動を展開。
また、有名レストランや一流ホテルとタイアップし“食と美のコラボレーション”アカデミックレストランや、雑誌や新聞への執筆、地域に根づいた食育活動など、人々との出会いや触れ合いをもとめ、日々活動を続けている。
Name: 堀内優子(ほりうち・ゆうこ) Profile:
日本パーティースタイリスト協会講師、インテリアコーディネーター。大手住宅メーカーで展示場や個人邸のインテリアコーディネートを手がけた後、独立。現在、フリーランスでインテリアデザインに携わる。
自宅のマンションを理想の住まいへとセルフリノベーションした経験から、多くの人にもっとインテリアの楽しさ、心地よさを知ってもらいたいと思い、講師の道に進む。『プラスワンリビング』『美しい部屋』などのインテリア雑誌に掲載歴もある。
日本パーティースタイリスト協会からのお知らせ “おもてなしの心”が学べるコースが開講します
「日本パーティースタイリスト協会」(http://www.party-s.jp/)では、2007年12月8日から「ジュニアパーティースタイリストコース」が開講します。 「インテリア空間」「テーブル空間」「食の演出」の3つを軸に学べるこのコースは、パーティーを通じて"“おもてなしの心”を育み、実際に楽しいホームパーティープランニングが実践できるようになることを目的としています。
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