vol.034 あたたかい「おもてなし」、してみませんか
もっと気軽に“おもてなし”を楽しもう

あなたは、ホームパーティーを開いたことがありますか?
ホームパーティーの習慣が欧米ほど根づいていない日本の場合、自宅に
ゲストを招いて“おもてなし”をするのは大変と考える人が少なくありません。
しかし、人を招くことで住まいに新鮮な空気が呼び込まれるという楽しさも
あるのではないでしょうか。
今回の特集でまずお話をうかがったのは、季節のさまざまなテーマで
ダイニングスタイルを提案している、テーブルコーディネーターの大場暢子先生。
もてなす側がもっと気軽に“おもてなし”を楽しむためのコツについてうかがい
ながら、ホームパーティーの上手な演出方法についても教えていただきました。

01.

もっと気軽に“おもてなし”を楽しもう

02.

五感に響く空間で、心に残る演出を

03.

華やかなおもてなし料理を
手軽に用意するためには

インタビューバックナンバー

今月の特集

大場暢子先生(テーブルコーディネーター )
「家に人を招くなんて面倒」と思いこまないで。大切なのは、もてなす人自身が楽しもうとする気持ちです。
米国在住経験がある大場先生は、アメリカスタイルの“おもてなし”についてもさまざまな場所でご紹介されています。そこでまずは、日米のパーティー文化の違いを教えていただきつつ、“おもてなし”をする人自身がパーティーを楽しむコツについてインタビューしてみました。

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日本人と違い、アメリカ人はホームパーティーを日常的に楽しむ習慣があると聞きます。
アメリカの人々は人を自宅に招くことを面倒だとは思わないのでしょうか?

現代の日本人にとって、自宅とは“完全なプライベート空間”と考えられているように思います。ですがアメリカの場合は、住まいを“コミュニケーションのための開かれた場”ととらえているようで、自宅に人を招き入れることを当たり前と考え、そこに楽しさを感じているようでした。 実際、私がアメリカで生活していたときも、「ちょっとお茶でも」とか「週末はうちでご飯を食べない?」といった気軽なパーティーが、毎週のように誰かの自宅で開かれていました。日本人は自宅に人を招くとなると、お料理やお掃除など事前の準備が大変だと思いがちですが、アメリカ人の場合、その感覚があまりありません。それは、お食事を楽しむことよりも、たくさんおしゃべりをして楽しい時間を過ごすことこそがパーティーをする一番の目的だからなんです。

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アメリカ人は日本人よりも楽しむのが上手、というわけですね。
そうした“日本との違い”を実感されたアメリカでのエピソードはありますか?

アメリカ人の友人を初めて家に招いたとき、温かいお料理を温かいうちに食べていただこうと、パーティーが始まってからもずっとキッチンで作業をしていたんです。すると、「何かトラブルでもあったの?」「私たち、来る日を間違えた?」などと、不思議に思われたことがありました(笑)。私自身、日本ではずっとそういうスタイルでおもてなしをしていたので、最初はどうしてそんなことをいうのかわからなかったのですが、しばらくまわりのアメリカ人を観察するうちに、「なるほど」と納得したんです。というのも、アメリカにはゲストが来たあともお料理を作るホストやホステス(主催者)などいなかったんですよ。彼らはお料理作りで席を外すことを“おもてなし”だとは考えないのです。ホストもホステスもゲストと一緒に会話を楽しむことこそが“おもてなし”だと考えているんですね。

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もてなす側が楽しんでこそ、はじめて“おもてなし”になる。素敵な考え方ですね。
私たち日本人がもっと気軽にホームパーティーを楽しむためには、どうすればいいでしょう?

とにかく、もてなす人は“がんばりすぎないこと”。最初から最後までのすべてを取り仕切ろうとせず、ときにはゲストの力も借りながら、自分が楽しめる範囲で“おもてなし”をすることが大切です。そもそも、もてなす人が慌ただしく動いていては、ゲストだってゆっくりとくつろぐことができないと思いませんか? もてなす人がゆったりとしていてこそ、招かれる方もリラックスできるものなんです。 ただし、パーティーの当日にゆったりと楽しむためには、それなりの工夫も必要になります。私が大切だと考えているのは“おもてなしの計画”。「ホームパーティーをしよう」と思ったら、“いつ”“どこで”“誰と”“何のために”“何を”“どうやって”楽しむかという計画を立ててみるというのがおすすめです。

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なるほど! ただ、パーティーの計画を立てるということはあまりなじみがなく、どうすればよいかわからない
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
計画を立てるときのコツを教えていただけますか?

まず行っていただきたいのは、パーティーのテーマを決めること。クリスマスやお正月といった季節の行事、お誕生日や入学祝いなどの記念日だけでなく、栗拾いやボージョレ・ヌーヴォーなど、季節性を意識したテーマを考えるのもいいと思います。こうしたテーマがあるとパーティーの計画も立てやすくなりますし、料理のメニュー構成やテーブルセッティングなどにもまとまりが出ます。 そして、招く人数にもよりますが、部屋の掃除や買い物はなるべくパーティーの2日前にはすませておき、前日はお花を飾ったり、テーブルセッティングで使うものをまとめたりしておく。当日の作業をできるだけ少なくしておくといいですね。

季節をテーマにした、こんなパーティーはいかがですか?
楽しいパーティーにするには、まずテーマを決めるところから。誕生日やクリスマスはもちろん、暮らしの中で感じた季節の変化や旬の食材などもテーマにしてみては?
1月から12月まで月別に、テーマを考える際のヒントとなるようなパーティーのプラン例を大場先生に教えていただきました。
1月

気の置けない仲間との
「カニ&エビの手づかみパーティー」

気取らずにそのまま手で食べられる冬の食材を中心に、みんなでにぎやかに年始め。

2月

体の芯から温まる
「冬の旬野菜を味わうお鍋パーティー」

白菜や大根など、旬の野菜をふんだんに使ったお鍋料理で寒い冬を乗り切りましょう。

3月

和菓子でもてなす
「大人のひな祭りパーティー」

桃の花を生けたり小さな雛人形を飾ったり、友人同士で和菓子を楽しむ午後のひととき。

4月

友人たちと楽しむ
「春野菜のアウトドアパーティー」

タケノコや菜の花といった春野菜を陽ざしの中で味わいながら、おしゃべりを楽しんでみては?

5月

G.Wは親子でワイワイ
「わんぱくなアフタヌーンティーパーティー」

子連れの友人たちと。ソーセージロールやフレンチトーストなど、子どもが喜ぶメニューを並べて。

6月

日ごろの感謝の気持ちを演出する
「父の日パーティー」

お父さんの好きなお酒に手作りのおつまみを用意して、家族でゆっくり過ごす夕べもいいもの。

7月

友人夫婦を招いて
「色鮮やかなサマーランチパーティー」

色とりどりの夏野菜と飲み口の爽やかなワインで楽しむ昼下がり。

8月

仕事仲間と
「夏を乗り切るスタミナパーティー」

口当たりがよくて栄養もとれる和風メニューをたっぷりと。うだるような暑さを吹き飛ばして。

9月

好きな食べ物を持ち寄る
「ポットラックパーティー」

手作り料理やデリを持ち寄れば、レシピやおいしいお店の情報交換で会話が弾むはず。

10月

秋色コーディネートで楽しむ
「フィンガーフードパーティー」

木々が色づくこの時季は、トマトや赤ワインなどを使った紅葉色のメニューを楽しんで。

11月

暖かい部屋で味わう
「日本酒好きのための利き酒パーティー」

簡単にできる酒の肴を用意して、おいしい地酒をゲストと一緒に。

12月

1年の締めくくりは友達と立食スタイルで
「イヤーズエンドパーティー」

大きめの取り皿をワンプレートディッシュ風に使った立食式なら、場所を取らずに楽しめそう。

初心者でも簡単! テーブルを華やかに演出するための5つのポイント
パーティーの主役になるのは、やはりお料理が並ぶテーブルまわり。ちょっとした工夫でテーブルがグッと華やかになる・・・そんな演出法について、大場先生に教えていただきました。

1

テーマに合わせてカラーを決める

パーティーのテーマを決めたら、まずはテーブルコーディネートのカラーを考えてみましょう。このとき、あまり使う色数が多いとまとまりがなくなるので、部屋のインテリアとの調和も考えながら、基調色となる「メインカラー」、メインカラーを補う「サブカラー」、差し色となる「アクセントカラー」と、大きく3色に絞るのがポイントです。テーブルクロスやランナーは、テーマに合う色柄の布を選んで手作りするのもいいと思いますよ。

2

テーブルの中央にテーマを象徴するアイテムを

次に、センターピース(テーブルの中央)の演出を考えます。センターピースは、まさにテーブルコーディネートの中心ですから、花やキャンドル、ドライフルーツなどを活用して、そのパーティーのテーマを象徴する飾りをコーディネートしてみましょう。大切なのは、テーブルが小さいなら置くものも小さくするなど、自宅のテーブルの大きさによってコーディネートのバランスを考えること。ちなみに写真のものは、小豆を敷いた大皿の上に10cm角くらいの器を4つ並べて、植物をアレンジしたコーディネート例。使っている器は小さいながらも、まとまり感を演出することによってボリュームをもたせています。

3

シンプルなデザインの器を偶数セットで揃えて

新たに器を購入するなら、高価なものではなく、シンプルで使いまわしのきくものを揃えておくのがおすすめです。便利なのは、お料理やコーディネートを選ばない白い器ですが、リビングやダイニングのインテリアがモダン系でまとめられているなら黒、ナチュラル系ならベージュと、インテリアのテイストと合った色の器も用意しておくと使いやすいと思います。
購入する器の数は、自宅の椅子の数を目安に決めましょう。例えば、ダイニングテーブルが4人掛けなら、必要なのは4客ですよね。そこに多少の予備を加えて6客くらいを用意しておくといいでしょう。和食器では5客セットで市販されているものも多く見かけますが、日ごろのおつき合いを考えると、“おもてなし”は夫婦単位で行われることが多いものです。その意味でも、奇数セットではなく偶数セットで揃えておくと便利でしょう。

4

ちょっと意外なアイテムで変化をつける

テーブルの上のシンプルな器に、ちょっとアクセントをつけたい。そんなときは、パーティーのテーマに合わせたアイテムをコーディネートに盛り込むと楽しいですよ。例えば「和モダンな冬のおもてなし」というテーマなら、小豆や大豆、黒豆といった和の食材を菊や松などの植物と一緒にあしらってみたり、「秋祭りをビールで祝う」というテーマなら、秋の大地を象徴する茶色と空を象徴する青をカラーコーディネートのベースに使い、ビールの材料である麦の穂をテーブルに飾ってみたり。身近でちょっと意外なアイテムに、そんな“隠れたメッセージ”を込めてコーディネートしておくと、「これは何?」とゲストに聞かれたりします。そこで“隠れたメッセージ”を披露したりすると会話に広がりが生まれて、“おもてなし”がさらに楽しいものになるんです。

5

ナプキンでテーブルの上を華やかに

ナプキンは実用的でもあり、添えることでパーティーらしさも演出できるという便利なアイテムなのでぜひ利用していただきたいですね。フォーマルな場ではシンプルに折るのが基本ですが、ホームパーティーの場合はそういった形式にとらわれる必要などありません。テーブルをもっと華やかにしたいときなどは、ナプキンを装飾的に折って器の上に置いておくと、雰囲気がグッとアップします。

おさらい 気軽で楽しい“おもてなし”のポイント
パーティーをすることが決まったらまずはテーマを決めよう!
掃除や買い物はパーティーの2日前にすませておこう!
テーブルコーディネートは高価なものを揃えるのではなく、身近なものをアレンジ!
がんばりすぎず、自分ができる範囲で“おもてなし”を楽しむことが大切!

主催する側が無理をしない、がんばりすぎないのがホームパーティーを楽しむための基本だと話す大場先生。そのためにも、ゆとりをもって事前の準備をすることが大切なのですね。また、身近なアイテムに工夫を加え、自由にテーブルコーディネートを考えることも楽しそうです。このお話をふまえ、次のコーナーでは心に残るおもてなし空間の作り方についてうかがいます。

五感に響く空間で、心の残る演出を

大場暢子(おおば・のぶこ)

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大場暢子(おおば・のぶこ)
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テーブルコーディネーター、インテリアコーディネーター。東京・吉祥寺でテーブルコーディネート教室「アトリエLet's have a party!」アトリエ「Let's have a party !」を主宰。パーティーのプラン方法から準備、自宅でのおもてなしのためのテーブルコーディネートなど、ホームパーティーを開催するまでのプロセスを紹介している。

米国在住経験もあり、運営するサイトではアメリカのパーティー事情なども紹介。三井ホームモデルハウスでのテーブルコーディネートセミナーの講師も務めている。
http://www.partystyles.jp/

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