vol.031 住まいに仕掛ける“光のマジック”
“光”と“デザイン”を楽しむ照明で暮らしにアートを

特集「“光のマジック”で、心にやさしい住空間を」では、
私たち日本人は昔から、光が作り出す空間の変化に芸術を見出し、
そこから“光のマジック”を感じていたのだと中島龍興先生に教えていただきました。
そこでここでは、
“光のマジック”をより身近に楽しむことができる照明プロダクトの銘品を、
“放つ光がアートな照明”と“器具のデザインがアートな照明”に分けてセレクション。
中島先生のお話をふまえながら、
私たちの心に潤いをもたらしてくれる、光と影のアートに触れてみましょう。

“光のマジック”で、心にやさしい住空間を

光の力を住まいに生かす、空間別・照明コーディネート術

インタビューバックナンバー

今月の特集へ

放つ光からアートを感じる照明

中島先生のお話では、私たち日本人の先祖は“光”の陰影を楽しむような美的感覚を持ち合わせていた、ということでした。そんな繊細な感性を取り戻すことができそうな、放つ光からアートを感じられるような照明をご紹介します。

01

デザイナーの村田智明が率いるブランド、METAPHYS(メタフィス)の「hono」は、わずかな空気の動きによって揺れるキャンドルの炎のゆらぎを再現した照明。付属のマッチ棒の形をしたスティックで本体を軽く擦ると、オレンジ色の光が“ほっ”と灯り、炎のようにやわらかく揺らぎます。そして先端に“ふっ”と息を吹きかけると、灯かりが消えるという仕掛け。大人も子供も遊び心をくすぐられる、誕生日などのお祝いにぴったりな照明器具です。

02

デンマークの現代デザインを代表するクリエイター、ルイーズ・キャンベルの「キャンベル・ペンダント」。吹きガラス製の二重のシェードには、ストライプが交互の高さに入っているため、斜めから見るとストライプのすき間が美しい立体感をみせます。そのすき間からこぼれる光は、まるで木 立の間からやわらかく差し込む木洩れ日のようです。

03

「世界木のクラフト展」「日本クラフト展」入選など、数々の展覧会で活躍するアーティスト、藤井真哉氏がデザインした「komorebi」。シェードにブナ木が使用されていて、薄い木肌からやさしい光が放たれています。これは、黄昏時の木洩れ日のような温かみのある光が表現されているのだそう。デザインはシンプルですが、見る角度によって違った形に見えるので、ディスプレイの仕方ひとつでさまざまな表情を見せてくれそうです。

04

日本の伝統文化を照明に生かしているのが、長谷川滋之デザインの「Mori Light」。長谷川氏のデザインのベースとなっているのは伝統的な日本の素材や形ですが、「Mori Light」には、1300年もの歴史を持つ美濃和紙が使われているのだそう。光を独特のやわらかい明かりに変える和紙の特徴を引き出しつつ、洋の空間にも調和するようなデザインが印象的です。灯かりをつけると、深雪をかぶった森の情景が和紙のシェードに浮かび上がって、幻想的な雰囲気を醸します。

05

日本の食文化に欠かせない豆腐をテーマにした、吉岡徳仁デザインの「ToFU」。吉岡氏は、三宅一生氏と長年に渡ってコラボレートしていて、世界中から高い評価を受けているデザイナーです。「ToFU」から生まれる“光のアート”は、四角くカッティングされたクリアアクリルに、光源を加えることで浮かび上がる幻想的な光。浮遊しているかのように見えるアクリルと光線によって、部屋全体がアート空間になります。

01 hono/メタフィス|「ミラノ・サローネ2005」に出展、同年日本グッドデザイン賞受賞。
02 キャンベル275/ルイスポールセン|2005年にドイツのiF賞(iF Product Design Awards)金賞を受賞。03 komorebi p-1/アトリエリベロ|「komorebi」シリーズとして、「ミラノ・サローネ」に出展。
04 Mori Light/林工芸|「ミラノ・サローネ2007」に出展。若手アーティストが出展する「サテライト」部門で反響を呼んだ作品。05 ToFU/ヤマギワ|ニューヨーク近代美術館(MoMA)のコレクションに選定。
06 ルミナトール/ヤマギワ|1955年、イタリアの「コンパッソ・ドーロ賞」受賞。
07 IQ light/ホルガー・ストロム|2001年「デンマーク・デザイン」賞受賞。
08 ブロック・ランプ/デザインハウス・ストックホルム|MoMAのパーマネントコレクションに選定。
09 ONOFF/Rezon|2006年「日本グッドデザイン賞」受賞。09 ONOFF/Rezon|2006年「日本グッドデザイン賞」受賞。

09 ONOFF/Rezon 2006年「日本グッドデザイン賞」受賞。

器具そのものがオブジェのような存在感を放つ照明

住まいに“光のマジック”を仕掛けるためには、生活のシチュエーションに合わせて異なる“光のシーン”を用意しておくといい――そのように中島先生は教えてくださいました。
そこで、光源の高さやシェードの仕掛けにこだわったデザイン照明をセレクション。“光のシーン”作りに一役買いそうな存在感のある照明をご紹介します。

06

世界の照明デザインをリードしたといわれるイタリアモダンデザインの巨匠、カスティリオーニ兄弟の代表作「ルミナトール」。高さ1875mmもあるこのアッパーランプの最大の特徴は、ディスプレイ用のスポットライトなどに使われるレフランプをメインに仕立て、有機的な形と機能をそのままデザインに生かしているところ。この斬新な発想とフォルムの美しさで、誕生から半世紀近い年月を経てもなお、根強い人気があるのだそうです。

07

デンマークのデザイナー、ホルガー・ストロムが1972年にデザインした「IQ light」。四方にフックがついた平行四辺形型のモジュールを自由に組み合わせるとシェードができ上がるしくみで、モジュールが30枚入った基本セットの場合、15パターンのシェードができます。簡単に分解できるので、部屋の雰囲気や気分に合わせて自由に作り変えるのが楽しみになりそうです。

08

MoMAのパーマネントコレクションに選定され、世界中から注目を集めた「ブロック・ランプ」。北欧の人気デザイナー、ハッリ・コスキネンのデザインによるもので、電球が、まるで氷の中に閉じ込められているかのように見えます。シェードには、水の揺らぎのような凸凹が施されているため、灯かりをつけると光が水面下からあふれ出るような印象に。ランプの温かさでシェードの氷が溶け出しそうな錯覚が、遊び心を感じさせてくれます。

09

川村秀雄氏率いる「KHA」がデザインした「ONOFF(オノフ)」は、灯かりをつけているときと消しているときでデザインが変化するのです!
点灯していないときは、直方体のフォルムに施されたグラフィックがモダンな雰囲気を作り出し(写真A)、点灯すると、ランプの内側に印刷されたグラフィックが外側のグラフィックとシンクロして浮かび上がってくるのです(写真B)。スタンドタイプにもペンダントタイプにもなり、さまざまな表情を見せてくれます。

商品のお問い合わせ先

照明の取り入れ方も提案するライフスタイルショップ
「THE COVER NIPPON」

感性を刺激されるような、アートな照明を紹介してきましたが、実際にどのように住まいに取り入れたらいいのか、迷ってしまう方も多いかもしれません。
インテリアショップの中には、商品ラインナップを照明とともに提案ディスプレイという形で展示しているところもありますから、そういったお店に足を運んで参考にされてもよいのではないでしょうか。
たとえば、上でご紹介させていただいた長谷川滋之氏の「Mori Light」は、「東京ミッドタウン」にあるライフスタイルショップ、「THE COVER NIPPON」で実際に見ることができます。
こちらのショップでセレクトされているアイテムは、いずれも日本国内製。照明に関しても、漆和紙を使用した衝立のようなアイテムや提灯の伝統技術を生かしたアイテムなど、豊富なラインナップが楽しめます。取り扱われている照明は、いずれも日本の素材や伝統工芸を取り入れたアイテムなのですが、和の空間だけではなく、モダンな生活風景にも馴染むものばかりです。
リビングルームやベッドルームなど、照明を含めた商品がシーンごとにディスプレイされている中、「Mori Light」は店内に置かれたロフト下のくつろぎ空間にひっそりと佇んでいました。

08 ブロック・ランプ/デザインハウス・ストックホルム|MoMAのパーマネントコレクションに選定。

家具、器、照明、布などの商品はすべて日本国内で作られたもの。
月単位で替わる産地展コーナーも

08 ブロック・ランプ/デザインハウス・ストックホルム|MoMAのパーマネントコレクションに選定。

ライトの上から大きな竹かごをかぶせて、商品の手ぬぐいを陳列。
遊び心のあるアイデアは、部屋づくりの参考になります。

THE COVER NIPPON
http://www.thecovernippon.jp/shop.html
住所:東京都港区赤坂9-7-3東京ミッドタウン ガレリアE-0305
電話番号:03-5413-0658

ページTOP