vol.027 住まいと暮らしの「今と昔」
みんすまスタッフがインタビュー 集合住宅誕生物語 −当時の暮らしに思いをめぐらせながら−

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「日本の集合住宅の黎明期」へ

昔の住まい見学レポート 昭和初期〜昭和30年代の集合住宅
「日本の集合住宅の黎明期」では、戦前から戦後にかけての“集合住宅の変化”を、UR都市機構「都市住宅研究所」都市再生調査チームの大木真理子さんに語っていただきました。ここでは、そのお話を踏まえつつ、集合住宅歴史館に移築・復元された実際の家屋の中をご案内いただきます。
代官山アパート
代官山アパート
出典:洪洋社「建築写真類集 新興アパートメント巻一」

竣工

昭和2(1927)年

所在地

東京都渋谷区

構造

RC造3階建

住戸

単身者用:約13m² 世帯用:約28m²

間取り

単身者用:6畳+寝台 世帯用:6畳+4.5畳+台所+水洗トイレ

同潤会のアパートメント事業として、わが国最初期の鉄筋コンクリート(RC)造集合住宅のひとつ。東京と横浜に16箇所建てられた同潤会アパートの中でも最大規模を持っていた。世帯向け住棟と、単身者向け住棟があり、敷地内には食堂や銭湯などの共用施設も充実していた。単身者向けの住戸は、和洋の生活に対応するため、居室の床が、コルクの上に薄縁を敷いた仕上げとなっている。トイレ、洗面は共同だったが、小さいながらも、ガス栓が設けられている。

ガラス窓の上部には、換気のための小窓を付けるといった配慮も見られる。対して世帯用住戸には、水洗便所や洗面所が完備されており、土間の台所にはガスコンロや流し台なども備え付けられていた。ゴミは台所に設置されたダストシュートから捨てられるようになっており、収集してそのまま焼却炉で燃やすという仕組み。世帯用住戸の脇には避難用縄梯子を備え、さらに玄関扉には鉄板を巻くなど、地震や火災への対策も取られていた。

単身者向け
部屋(単身者向け)
部屋(単身者向け)

つくり付けベッドの下を収納にして空間を有効活用するのは、現代の住まいにも生きているアイデア。

ドア

内開きの玄関ドアには、丸いドアノブと鍵穴が。むかしは、こんなシンプルな鍵が普通だったんですね。

ガス栓

ストーブやコンロ用のガスコックも付いていたのが画期的。床は畳ではなく、コルクの上にゴザを敷いたもの。

世帯向け
部屋(世帯向け)
部屋(世帯向け)

6畳の部屋は、茶の間にも寝室にもなりました。
ちゃぶ台を囲んで家族揃って食事をするシーンが目に浮かびます。

土間の台所
土間の台所

台所は土間で、通常、すのこが敷かれていたそうです。ガスコンロ台を設ける一方、炭火の使用に備えて炭びつも設置されていました。

ダストシュート
非難梯子

関東大震災をきっかけに建てられた同潤会アパートだけに、世帯用住戸の脇には避難用梯子も備え付けられていました。

玄関から客間へ

4畳半の部屋は客間を想定。
来客があった場合、茶の間を通さずに、玄関から直接入れるようになっていました。

ダストシュート
洗面所

トイレの前は手洗いスペース。
つくり付けの化粧ボックスに、住み手への細やかな配慮が感じられます。

台所の奥にダストシュートを発見!下で集められたゴミは、アパート内のゴミ焼却炉で処理されていたそうです。

水洗便所

トイレは和式ですが、当時としては珍しい、ハイタンク式の水洗トイレです。同潤会アパートには時代の先端をいく暮らしがあったんですね。

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