vol.023 断熱を知ってあたたかい住まい
みんすまスタッフがインタビュー! 快適な住環境を作る上で欠かせない、マンションの断熱について聞いてきました。

寒い冬、家の中で外の冷気を感じるとき、窓の結露を発見したときなど、
「わが家の断熱はどうなっているのかしら」と、ふと気になったことはありませんか?
断熱材は、どこにどんなふうに入っているのか、そもそも断熱に関する基準はあるのか等々、
いったん考え出すと、疑問は次から次へとわいてきます。
そんな疑問を解消すべく、そしてこれから住まいを手に入れようとしている方の参考になるように、
マンションの断熱について、三井不動産レジデンシャル(株) 品質企画部の
天野博文氏にお聞きしました。

インタビュー:三井不動産レジデンシャル(株)品質企画部 天野博文氏

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住まいの熱効率を高めることを目的とする断熱は、地球温暖化防止対策にも貢献しています。

「断熱」という言葉からは、夏の太陽熱を断つというイメージが浮かびます。冬の冷気を断つという意味もあるのに、なぜ断熱というのでしょう?

天野氏

肌で感じる冷たさの温度も熱に変わりありません。断熱とは、熱が伝導や対流、放射によって伝わるのを防ぐということです。住まいの断熱は、外と内の間に障壁を設けて外気温からの影響を緩和する方策というふうに捉えればいいのではないでしょうか。

断熱材を建物に入れると、どういう効果があるのですか?

天野氏

住戸内部の熱効率を高めることができます。暖房で暖めた空気がすぐ冷えない、冷房で冷やした空気がすぐ暖まらないということですね。一定の温度がある程度保てる環境がつくれるわけです。そのほかに、外と内の温度差によって生じる結露を防止するという目的もあります。

外観完成予想CG

住まいの断熱は、法律によって規定されているのですか?

天野氏

建築に関する主な法律には「建築基準法」がありますが、建築基準法に断熱の基準は入っていません。
近年までの断熱の基準は、昭和54年、オイルショックを契機として制定された「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)や、それを受けて翌年示された、建築物に対する省エネルギーのための判断基準(省エネ基準)、さらに1997年(平成9年)に行われた地球温暖化防止京都会議の、いわゆる「京都議定書」に、わが国が署名したことで決められた断熱の目標値でした。ここまでやれば、これだけCO2を削減できますよ、という基準は出されていたのですが、当初、住宅についてはあくまでも建築主の判断に委ねられていました。
ところが近年における、家庭のCO2は増加傾向にあり、何とか削減しなければ、ということで、今年(平成18年)4月に「住宅の省エネルギー基準」(改正省エネ法)というものができたのです。その中には、これからの住宅の断熱仕様の他に、空気調和設備、照明設備、昇降機設備についての省エネ対策の基準も書かれています。

住宅性能評価基準の「温熱環境」省エネルギー対策等級が断熱の基準。等級に応じて断熱材の厚さが異なります。

具体的には、どんな基準になっているのでしょう?

天野氏

「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」の中に、住宅性能表示基準というものが、さまざまな項目に分けて定められています。断熱に関しては、省エネルギー対策等級が1〜4のレベルで表されています。この等級は、全国を大きく6つの地域に区分し、それぞれの地域の気候特性を踏まえた、住宅の省エネルギー措置に関する基準を定めたものです。それぞれの等級に応じて断熱材の厚さや範囲が異なります。
この度制定された「改正省エネ法」で、床面積が2,000m2以上の住宅について、省エネルギー対策として所管行政庁への届け出が必要となりました。基準と照らし合わせて、著しく不十分な場合は変更が求められることになります。判断基準は所管行政庁に委ねられていますので、事前に所管行政庁との打ち合わせが必要となります。 しかし、断熱だけで住まいから出るCO2を削減できるわけではありません。どんな設備機器を使っているかも大きく影響します。最近は、エコ給湯システムなど、設備機器も良くなってきていますので、合わせて利用することで、さらに熱効率を高めることが必要だと思います。

ペアガラスを標準仕様にした三井不動産レジデンシャルのマンションは、優れた断熱グレードを確保しています。

三井不動産レジデンシャルのマンションの、断熱基準はどうなっていますか?

天野氏

三井不動産レジデンシャルのマンションは、どの物件も等級3レベルをクリアしています。さらに、等級3では必要とされていない、複層ガラスを標準仕様にしていますし、北側(厳密には真南より30度以上はずれた箇所)には、「折り返し断熱」と呼ばれる、外部から45cm※のところまでの内壁と、天井又は床にも断熱が施されます。ですから、三井不動産レジデンシャルの物件は、実質的には等級3以上のグレードになっているといえるでしょう。
なお、断熱材の厚みについては「仕様基準」と「性能基準」というものがあるのですが、三井不動産レジデンシャルの場合は「仕様基準」を採用しています。こちらの方が多少厚みのある基準になります。
※地域IV(関東、東海、近畿、中国、四国、九州等)の場合。地域I(北海道等)、III(南東北等)の場合は60cm。

施工がしやすく、壁面との密着度も高い吹き付け断熱を採用。施工後に、断熱の厚みが基準通りか、チェックも行っています。

最近、断熱材は吹き付けで施すと聞いていますが。

天野氏

吹き付けでやるところと、成形板を入れるところに分かれます。壁は吹き付け、最下階の床下や最上階の床上などは成形板を入れます。
材料としては、吹き付けが硬質ウレタンフォーム(現場発泡品)、成形板が押出法ポリスチレンフォームです。吹き付けは施工がしやすいことが最大の利点です。また、躯体面にはどうしても多少のでこぼこがあるのですが、吹き付けは、そのでこぼこにも密着しやすいといった利点もあります。きちんと密着しないと内部結露を起こす恐れがあるのです。
吹き付けの断熱は、コンクリートに直接吹き付けるのですが、施工後、ちゃんと基準の厚さを満たしているか、特殊なピンでランダムに確認を行っています(写真参照)。構造的には、コンクリート・断熱材・プラスターボード・仕上げ材といった層になるわけです。

購入前に、パンフレットで断熱の仕様を確認しておくと安心。入居後は、暖房器具の選定と換気に注意を。

マンションを購入するときは、何を見ればそのマンションの断熱仕様がわかるのでしょうか?

天野氏

パンフレットをよくご覧になることですね。断熱は住まいにとって重要な要素ですし、供給サイドもきちんと説明していますので、しっかり確認して購入することが大切だと思います。

断熱について、住み手が注意するべきことはありますか?

天野氏

石油ストーブや石油ファンヒーターといった開放型の暖房機は、水蒸気を放出しますから、結露しやすいです。暖房は、エアコンや床暖房だけにすれば、結露しにくい環境になりますね。また、換気にも注意を払う必要があります。最近の住戸は24時間換気システムが付いていますから、それを常時オンにしておけば、まず大丈夫でしょう。
熱を逃がすことにもつながる換気は、熱効率の観点では断熱に逆行しますが、住まいの健康を考える上で、こちらも欠かせないものなのです。

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