vol.022 音と映像で、くつろぎのスペースを
みんすまスタッフがインタビュー!ホームシアターについて、ヤマハのAV機器ご担当者に伺ってきました。

このところ、薄型・大画面のテレビが主流になり、
DVDソフトや地上デジタル放送などの興味深いコンテンツも急増中です。
できればそれらを、良い音、良い映像で楽しみたい!と
思っている人もたくさんいるのでは?
そこで注目なのが、家庭で本格的な音と映像を楽しめる「ホームシアター」。
「なんとなく難しそう」とか「我が家にはちょっと…」と思っている人も、
まずは、どんなものかを知ってみてはいかが?
ということで、今回はヤマハエレクトロニクスマーケティング株式会社の
石川善郎さんを訪ね、ホームシアターについて教えていただきました。

インタビュー: ヤマハエレクトロニクスマーケティング株式会社 広報室 室長 石川善郎さん

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ホームシアターとは、家の中でいろいろなオーディオ・ビジュアルを楽しめる環境のこと。

ホームシアターには公の定義がありませんが、『いろいろなオーディオ・ビジュアルのエンターテイメントをご家庭で楽しむ環境』と考えていただけばいいと思います。いろいろとは、プラズマTV、液晶TV、DVD、CD、地上デジタル放送、iPod、ゲーム、パソコンなど、人それぞれ何を楽しんでいただいても良いと思います。

かつて音楽を聴くには、カセットテープやレコードが主流の時代もありましたが、今ではメディアも種類が多く、携帯に便利なモノや、データ量は重たいけどクオリティが著しく高いモノなど用途によって様々です。ホームシアターで楽しむメディアとして、一般にクオリティが高いとされる順に挙げると、(例えば音で言うとアナログレコードが最高という方もいらっしゃって、異論はあるかもしれませんが、)以下のようになります。メディアそれぞれの特徴や性格を知っていれば、ホームシアターの楽しみも更に広がります。車の中で観る・聴く、旅先で聴く、リビングでBGMを流す。自室でじっくり鑑賞する、家族で、個人で、友達と楽しむ。放送を楽しむ、DVDビデオを楽しむ、ゲームのサウンドを楽しむ・・・様々なメディアのもたらすオーディオ・ビジュアルエンターテイメントがホームシアターライフを豊かにします。

- 音質の良い順 -
・SA-CD、DVD-Audio
・DAT、デジタル放送
・CD、デジタルラジオ
・MD、DCC
・カセットテープ
・DAP(HDD・メモリープレーヤー)
・インターネットラジオ

- 映像の質の良い順 -
・Blu-ray、HD-DVD
・デジタル放送
・D-VHS、HDカム
・DVD-Video
・LD
・ベータ、VHS
・8ミリ(アナログ)

5.1chサラウンドシステムの正面部分。左端の立方体がサブウーファー。さらに部屋の後方に2つのスピーカーを設置しています。

5.1chサラウンドシステムの正面部分。左端の立方体がサブウーファー。さらに部屋の後方に2つのスピーカーを設置しています。

モノラル、ステレオの時代を経て、今は音に包まれるような立体音響、サラウンドの時代。

これまでオーディオ市場では、臨場感を求めて様々な開発が行われてきました。音の再生が1ch(チャンネル)のモノラルからはじまり、次に出てきた2chのステレオは、2つのスピーカーにより立体的に音を再現したもの。ホームシアターの音はサラウンドと呼ばれ、ステレオよりさらに臨場感を追求した5.1chが基本です。前方の右、センター、左、後方の右、左の合計5ヵ所から音がくる(低音用のサブウーファーを入れて5.1ch)ので、音に包まれるような立体音響が特長です。

1986年に世界で最初に本格的なデジタルサラウンドを発表したのがヤマハで、そのシステムをDSPと名付けました。開発にあたっては、ウィーンのムジークフェラインザールなどのコンサートホール、ミュンヘン大聖堂などの教会、ヴィレッジバンガードといったジャズクラブなど、世界中の音のいい場所に出かけて音を計測。そのデータを使って、自宅にいながら、まるでその場で聞いているような音の響きを楽しめるようにしています。

臨場感あふれるサウンドでさらに楽しくなった近年の映画。映画館の音響も進化し続けています。

映画の世界でも音について同じような動きがあります。映画の広告をよく見ると、ドルビーデジタルとかDTSといった表示があり、これが音響システムのことを指しています。映画館のスピーカーは、前方の右、センター、左、後方の右と左、低音用のサブウーファーをプラスした5.1chが最も多く、中には6.1chもあります。映画館で1990年代にデジタルサラウンドの立体音響が楽しめるようになり、車が右から左へ疾走する、背後で物音がするなど、よりリアルなサウンドが可能になりました。それが90年代の後半には一般家庭に導入されて、ホームシアターとして北米中心に世界中で開花して行きます。

映画館における音の歴史は、大ヒットした映画と連動していることが多いので、あわせて見ていくと面白いでしょう。

1940年代

「モノラル」

1950年代

「ステレオ」

厳密にはステレオ+センターの3ch。映画はセリフが重要だったので、最初からセンターがあった。

1976年

「ドルビーステレオ」

映画音響で有名なドルビー社によるステレオと互換性のある4chシステム。右と左の2chの中に、センター・リアを加えた4つの信号をうまくのせて4chの立体音響効果を出したもの。現在のドルビーデジタルように音が完全には分かれていないことと、リアの音声がモノラルではあるが、サウンドデザインの自由度は上がった。今日でもステレオ音声として放送電波にものせられることで、ベーシックな音響形式として使用されている。ドルビーステレオ初期の映画が「未知との遭遇」や「スター・ウォーズ」。

1992年

「ドルビーデジタル」

音が、右・左・センター・リア右・リア左の5ヵ所と、低音専用チャンネルから完全に分かれて出るようになった5.1chで、音が移動したり、シーンの空気感を音で演出したりすることで優れた臨場感が味わえる。「バットマン・リターンズ」にて初登場。

1993年

「DTS」

ドルビー社の後発ともいえるDTS(デジタル シアター システムズ)社が開発したもので、ドルビーデジタルと同じく5.1ch。「ジュラシック・パーク」が最初の作品。

1999年

「ドルビーデジタル サラウンドEX」

ドルビーデジタルに後方のセンターを加えた6.1ch。「スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス」にて登場。

1999年

「DTS-ES」

ドルビーデジタル サラウンドEXのDTSバージョンといえるもの。

ホームシアターを買うなら、スピーカーの台数を基準にするといいでしょう。

ホームシアターを買うときは、まず何をしたいのかを考えるといいでしょう。例えば、家族で映画を観たい、1人で音楽を聴きたい、友人を大勢呼んで地上デジタル放送のスポーツ番組を見たい、などです。家族で本格的に楽しみたい場合は、大型テレビやプロジェクターを使った本格システムも良いですし、個人で使うならコンパクトシステムも良いと思います。それから、スピーカーは音に大きく関わるので、できればいいものを選びたいところです。基本は、前に3個、後ろに2個に低音用1個を加えた5.1ch。さらに凝って、スピーカーを増やす人もいます。

ここではスピーカーの台数を基準にして、ホームシアターを分類してみました。

スピーカー台数

ホームシアターの買われ方

特長

5.1〜9.2台
(マルチチャンネル)

単品コンポーネントの組合わせ

基本性能が高く、音質や画質を追求しやすい。

好みに合った組合わせが可能。

拡張性が高いので、長く使える。

一般にサイズが大きく、やや高価。

組合わせを考える必要がある。

メーカーパッケージ

低価格で入手しやすい。

セットで開発しているので、価格対性能比が高い。

一般にサイズが小さい。

音質や画質を追求できない。

ユニットごとの耐用年数の差を吸収できない。

2.1台

・フロントサラウンド

・バーチャルサラウンド

単品コンポーネントの組合わせ

 

メーカーパッケージ(DVD付/無)

 

1台

・ビームによるサラウンド

デジタルサウンドプロジェクター

音をビーム状に発して壁からの反射を利用し、フロントに
置いたスピーカーだけで5.1chが実現できる。

スピーカーも配線ケーブルも要らずお部屋がすっきり。

ビームを反射させる壁が必要。

コンポーネントの組合わせでは、アンプも重要です。アンプとは、DVDレコーダーや地上デジタルテレビの音声などをつないで、これらの音をスピーカーから出すようにするもので、交通整理をする場所と考えるといいでしょう。アンプの裏側にはたくさんの端子がありますが、それは映像信号用、音声信号用がある上に、同じ信号でもデジタルとアナログがあったりするからです。でも、端子をつなぐ場所さえ間違えなければ、それほど難しいことはありません。

アンプ(DSP-AX1700)の背面。複雑に見えますが、実際に使う端子は少ないので、接続はそれほど難しくありません。

空間になじむインテリア性も考慮して、オーディオをコーディネイトしてみては。

昔のオーディオマニアは、インテリアよりもオーディオ優先の人が多かったのですが、昨今はインテリア優先で、オーディオはヘッドホンなど簡単なモノで対応する人が増えているようです。そこで私たちがおすすめしたいのは、インテリアが成立する範囲内で本格オーディオを最大限に楽しむ、というスタイルです。ただ、どうしても一般家庭では問題になりやすい点もありますので、以下に良く耳にする導入上の課題と解決策の一部を記します。

フロントサラウンド方式の概念図。音声をビーム化して壁に反射させることで本物の5.1サラウンドを再生します。これはYAMAHA独自の技術(Digital Sound Projector-TM- Technology)です。

(1) スピーカーを置くスペースがない。

解決策:

・小型ブックシェルフスピーカーを使う。

・フロントサラウンドにする。

(2) ケーブルを見せたくない。

解決策:

・事前に配線する。

・ケーブル隠蔽用のモールを活用する。

・カーペットの下を通す。

では、オーディオを組み込んだインテリアコーディネイト例をご紹介します。

写真Aは、ローボードに薄型テレビを置き、デジタルサウンドプロジェクターを入れました。後方にスピーカーを置かないビームのサラウンドなので、ケーブルが床を這うこともなく、すっきりシンプルなスタイルです。

写真A

写真A

写真B

写真B

写真Bは、アンプとCDプレーヤーをラックに入れ、しっかり主張するスピーカーを設置した、すっきりシンプルステレオのスタイルです。スピーカーの存在感がありますが、インテリアになじんでいるので、女性にも人気があるようです。これらの機器は、テレビドラマの「のだめカンタービレ」でも使われています。

写真Cは、本格的な組み合わせをすっきり見せているコーディネイト。センター用スピーカーとアンプ、DVDプレーヤーがきれいにボードに納まっています。ここでのポイントは、後方のスピーカーを堂々と置いたこと。オーディオ・ビジュアルを存分に楽しみたい方には、いいのではないでしょうか。

写真C

写真C

本格的なオーディオ・ビジュアルのある暮らしを。とても楽しい世界なので、ぜひ入ってきてほしいですね。

iPodが世界中で大ヒットとなり、世界的に見ても日本においても音楽の裾野が広がったと思います。ところが、裾野の上に広がる文化としてのオーディオ・ビジュアルは後退していて、特にこの傾向は日本で顕著です。しかし、ハイビジョン5.1chの放送も増えてきて、DVDを中心とする様々なパッケージメディアも益々充実してきており、ホームシアターを楽しむコンテンツも面白くなってきています。メディアが大きく変わりつつある今こそ、ホームシアターに挑戦して個人で、そして家族で、あるいは友達とオーディオ・ビジュアルの良質なエンターテイメントを楽しんでほしいと思います。

ヤマハでは年2回、「お父さんのための、ホームシアター講座」を開催しています。また、日本オーディオ協会のホームページでは、試聴体験できるショールームなども多数紹介しています。自分のディスクを持ち込んでいいところもあるので、お気に入りの音楽を最新の機器で聴いてみてください。

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