vol.021 長く付き合えるインテリアとは?
三井デザインテックでインテリアコーディネートのコツを聞いてきました。

インテリアで住まいを自分らしく演出したい、
雑誌やショールームのようにカッコイイコーディネートをしたい、
でも、どこから手をつければいいのかわからない、
という方が多いのではないでしょうか?
そうしたときに適切なアドバイスをしてくれるのが、
インテリアコーディネーターです。
そこで、三井デザインテックのインテリアコーディネーター、小野惠子さんに、
プロならではのインテリアコーディネートのコツをお聞きしました。

インタビュー:三井デザインテック インテリアコーディネーター 小野惠子さん

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全体のイメージをつかむポイントはキーワード。いろんな言葉から具体化していきます。

まずはどんなところから考えたらいいのでしょうか?

小野さん

「カッコイイ」インテリア、「すてきな」インテリアといっても、何を「カッコイイ」「すてき」と感じるかは人それぞれです。また、憧れがあっても実際の生活とかけ離れていると、せっかくコーディネートしても結局使えないということになってしまいます。たとえば、豪華なソファを購入しても、ソファを背に床に座り、センターテーブルをちゃぶ台のようにして使う、といったことが起こってしまうのです。そこで、ご相談にいらっしゃる方には、どんなイメージを持っておられるのか、お好きなものはどんなテイストなのか、そして現在の暮らし方もあわせてお伺いするようにしています。そこで全体のコンセプトを決定します。コンセプトが決まれば、コーディネートの7〜8割は決まったものと考えてもいいというくらい、コンセプトの決定は重要です。

 
印象的な色やデザインのタペストリーや絵画などでインテリアにアクセントをつけることもできます。

印象的な色やデザインのタペストリーや絵画などでインテリアにアクセントをつけることもできます。

コンセプトはどんなふうに決めていくのでしょうか?

小野さん

雑誌の切抜きを持ってこられて、ブランドや素材などを具体的におっしゃる方もいらっしゃいますが、ご自分のイメージされているものを明確にできる方はそれほど多くありません。それを引き出すポイントはキーワードです。明るいとか、落ち着いたといった形容詞ですね。形なら、「丸いほうがいいですか、角型を主体にした物のほうがいいですか」というふうにお聞きします。お客様がぱっと理解でき、すぐにお答えいただけるような聞き方です。直感的にお答えいただいたほうが、後からイメージがぶれません。そういった質問を重ねていくことで、お好きな色彩やテクスチャーのイメージをつかみます。他にも、服装やお持ちのものなどからヒントがつかめることもあるんですよ。

トータルに見たときにどうなるかといったコンセプトを固めてから、個々のものを決めていくのがコツです。

洋服をお店の人に相談しながら買うのに似ていますね。

小野さん

そうですね。ファッションは、洋服だけではなく、髪の色や靴までトータルにコーディネートしてはじめて完成します。住まいも、トータルに見たときにどういった設えになるかというところを最初にイメージした上で、個々のものを決めていくという段取りを取った方が全体的なまとまりというのは出ますね。ただ、プロとしてはお好きなものだけで固めるというのではなく、プラスαのエッセンスを加えて、お客様の想像していなかったものをご提案することもあります。

 

コンセプトが決まるまでには、どのくらいの時間をかけているのですか?

小野さん

コンセプトは、一度のヒアリングで決まることもありますが、一度たたき台を出してから、二度目に軌道修正していく場合もあります。1回のヒアリングは2〜3時間くらいです。一度ご自宅に戻られて冷静に考えてからお決めになるのもひとつの方法ですね。それから、ショールームを回るのはコンセプトをお決めになってからをオススメします。先にいろいろなものを見てしまうと、かえって混乱してしまうことのほうが多いからです。まずはコンセプトをしっかり決めて、その後で家具を選んでいったほうが早く、確実に決められると思います。

最近よく選ばれるテイストというのはありますか?

小野さん

都心エリアを例に取ると、 フォルム的にはシンプルでストレート、色味的には黒に近い茶色(最近の流行色で、ウェンゲWengeといいます)です。ショールームに飾られるものにこうしたものが多いので、お客さまの目に馴染んでいるためかもしれません。ショールームに飾ってあると安心感を持たれる方が多いですね。ショールームの展示がヒントになって具体的なイメージがわくとおっしゃる方もいます。

現在のインテリアトレンドについて教えてください。

小野さん

色はファッションのトレンドカラーに準じるのですが、ファッションよりは若干遅めに流行が来ます。柄についていえば、以前は花柄や自然をモチーフにしたものが流行りましたが、今は、同じ自然をテーマにしていても、モダンな造形に変わってきています。幾何学模様も多いですね。ラグはシャギー(※)が全盛です。出始めたころは、お手入れの関係で敬遠されていたのですが、掃除機の性能がよくなったことも影響しているのか、最近はたいへん人気があるんですよ。

※シャギー:毛足の長い(一般的には30mm以上の)もの

選択肢の少ないところや限定される条件などから絞込みをしていきます。

テイストが決まったら、いよいよコーディネーションですね。

小野さん

テイストさえ決まれば、あとはコーディネーターからそれに合った品物をご提案させていただくことになります。こういうときはプロの豊富な商品知識を是非活用していただきたいですね。また、それぞれのお部屋の用途やご利用になる頻度もヒアリングします。たとえば書斎といっても本格的にお仕事をされるSOHOのような造りにするのか、読書などで寛ぐ場所にしたいのか、将来は子ども部屋にする予定なのかといったことでも、コーディネートは変わってきますから。

たとえば、新居に以前から使っていた家具を持ち込みたい場合など、何か条件がある場合はどうすればよいでしょうか?

小野さん

まず、その家具の使用頻度も含めたこだわりの度合いをヒアリングします。どうしても、という場合は、家具の色目とフローリングなど木部の色目を合わせるというように、その家具を中心にして全体をコーディネーションしていきます。ときにはイメージなさっているインテリアとその家具が合わないけれど、大切なもので処分できないということもあります。そうした場合は、クロゼットなどに置くなど、隠して使う方法も考えます。お話を進めているうちに全体が見えてきて、「リビングに置きたかったけれど、やっぱりクロゼットに」というふうに気持ちが変わる傾向はありますね。

持ち込みたい家具、新しく購入する家具を選別したら、次は何をすればいいのですか?

小野さん

選択の余地が少ないもの、限定されやすいものから決めていきます。例えば、カーテンの色や素材などはバリエーションがたくさんありますが、ソファの張り地が5種類しかないというときは、それを先に選び、そこからファブリック関係をコーディネートしていきます。他にも、とにかく部屋を広く見せたいということであれば、カーテンを壁に馴染むものにして、全体をベージュなどの淡色系でまとめるようにします。ただし、アクセントカラーはしっかりと入れます。

アクセントカラーというのは重要なのですか?

小野さん

アクセントカラーの無い、ぼやっとした空間はメリハリがなく感じることがあるので、視線の行き場所を意識的に決めたほうがいいのです。皆さん、ベージュや白など、無難な色でまとめるほうが安心と思われるでしょうが、クッションや額装、場合によってはカーテンなど、部屋全体の5〜10%ほどの部分に、アクセントとなる色があった方が空間は生きてきます。場合によっては部屋が広く感じられることもあります。 服でも「さし色」を入れて全体を引き締める、といったコーディネート方法があると思いますが、インテリアでも同じです。全体が白やベージュなど、薄い色調の場合は特にアクセントカラーによっても部屋の雰囲気が違ってきますから、アクセントカラーで季節感を演出されるとよいでしょう。

 

白やベージュのソファに、クッションなどでアクセントカラーを入れることによって、空間にメリハリを与え、カラーを変えることで部屋の印象を変えることもできます。

欧米の暖炉に当たるのものはテレビ。テレビの配置を最初に決めるとコーディネートしやすい。

これからコーディネートをしようと考えている方へ、アドバイスをお願いします。

小野さん

欧米の住まいは暖炉を中心につくられていますが、日本の住まいで暖炉に当たるものはテレビです。特にマンションの場合は、テレビの位置でレイアウトが決まるケースが非常に多いので、テレビをどこに置くかを最初に決めていただくと、あとのコーディネーションが楽になります。最近のマンションはマルチメディアコンセントが2〜3カ所から選択できるようになっているところも多いので、テレビが置ける場所の選択肢は広がっています。ただ、壁面が広いところは収納や家具の設置場所として有効利用したいので、それとの兼ね合いで決めていただくといいですね。窓のあるところには家具を置くことはできませんから。

「インテリアコーディネートは、服のコーディネートに似ていますね」という一言で、色々なことがわかったような気がしました。ひとりで考えると、どうしてもワンパターンに陥りがちですが、プロの方にお願いすると、好みのテイストをわかってもらった上で、それまでにない、自分に似合うテイストを発見させてもらうこともあります。インテリアで、そんなプラスαを入れてもらえたら、その部屋で過ごすのが楽しくなってくるかもしれません。

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