vol.018 バスルームで過ごすぜいたくな時間
バスタイムを彩る入浴剤についてご担当者にお伺いしました。

なぜか多くの日本人が大好きな「温泉」。
温泉成分が体によかったり、独特の色や香りが効きそうだったり、
自然を間近に感じながら入浴できたりすることで、
体も心も癒されることを体験的に知っているのかもしれませんね。
そんな温泉と似たような効果を家でも楽しめるのが「入浴剤」。
入浴だけで得られる効果を高めて、プラスアルファもあるのだとか……。
そこで、もっともっと詳しく知るために、
入浴剤でおなじみの(株)ツムラを訪ね、
ライフサイエンス本部企画課・石川泰弘さんに
入浴剤のもつ効能や効果的な入浴方法などを教えていただきました。

インタビュー:(株)ツムラ ライフサイエンス本部企画課・石川泰弘さん

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たまたま生薬をお風呂に入れたことが入浴剤の発端。家にいながら温泉に入ったような効果も得られます。

ツムラの入浴剤が生まれたのは、偶然の出来事がきっかけでした。明治26年に創業して以来、婦人薬「中将湯」を販売していたのですが、ある社員がその生薬の残りカスを家に持ち帰ってお風呂に入れたところ、夏には子供のアセモが消え、冬には体が温まることがわかったのです。そのことを会社に報告したことがきっかけで、入浴剤の開発に取り組むようになりました。

明治30年に「浴剤中将湯」の名前で発売をはじめた当時は、銭湯向けの薬湯としての入浴剤のみでした。その後、昭和5年に、芳香を加え製剤を改良し夏季専用の入浴剤として売り出したのが、「バスクリン」。今でも販売している「バスクリン」の初代です。が、これも銭湯用でした。戦後になって浴槽が家庭に普及してきて、現在のような家庭用の「バスクリン」が登場。その後、パッケージが変わったり、バリエーションが増えたり、と進化をしつづけています。今では、環境への配慮から容器本体は再生紙を使い、持ちやすさを考慮して楕円形になっています。

初代バスクリン

初代バスクリン

昭和61年に発売された「日本の名湯シリーズ」は、社員が実際に日本全国の2000カ所以上ある温泉地から入浴剤に適した温泉を選ぶため、数え切れない程の温泉地をまわりました。温泉地では、1日10回以上もの入浴を繰り返して湯ざわりなどを確認したり、温泉分析表を書き写したりします。また、お湯だけではなく、雰囲気などもその温泉の一部ですから、まわりの風景なども記憶します。
その後、研究所に持ち帰って成分の分析等を行い、できるだけその場の温泉に近づけ再現できるよう研究を重ねます。風呂釜や浴槽に影響を与えないような成分を厳選するのにもひと苦労です。成分による効能効果はもちろん、色や香り、パッケージデザインにまでこだわって、温泉の情緒感までも表現するべく試行錯誤を重ねるのです。そんな研究員の努力や温泉現地の方のご協力もあって、全国各地の名湯を楽しんでいただける入浴剤ができたのではないかと思っています。

入浴による温熱効果を高めたり、血流を促進したり……。期待できる効果がいろいろある入浴剤の成分。

入浴剤は、無機塩類、生薬類、酵素類、保湿剤、香料などの成分によって構成され、主成分などにより、いくつかに分類することができます。では、主な入浴剤の種類と、その特長をご紹介しましょう。

■無機塩類系
〈硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、などを主成分としたもの〉
皮膚表面のタンパク質と塩類が結合して、体全体に膜をつくるので、体温が逃げずに温熱効果が持続します。また、硫酸ナトリウムは、皮下組織を修復する効果があり、アセモやアカギレなどを予防。炭酸水素ナトリウムは、皮膚の汚れを清浄する効果もあります。

■炭酸ガス系
〈炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどに、コハク酸やフマル酸、リンゴ酸などを組み合わせたもの〉
お湯に溶けた炭酸ガスが皮膚から吸収されて血管を拡げるので、血流を促進。血圧が下がったり、代謝がよくなったり、疲れや痛みの回復をサポートします。また、無機塩類系と同じく、温熱効果もあります。

お風呂の温度と浸かる時間は重要なポイント。目的に合わせて、より効果的に入浴しましょう。

入浴は、体に対していろいろな作用があります。体へ適度な水圧がかかることにより、血液やリンパ液の流れがよくなり、血行を促進し代謝もよくなります。また、副交感神経が働いて、精神的にも安らぎ、落ち着いた気分になれることもあります。これらの体や心への作用は、お湯の温度と入浴の時間にも大きく関係するので、そのときどきのニーズに合わせて、入浴方法を変えるといいと思います。(※血圧や心臓に心配のある方は、熱いお湯に入るのは避けてください。)

《気持ちを落ち着かせたいとき》
40℃以下のぬるいお湯に、ゆっくり浸かるといいでしょう。 心身を鎮めて、穏やかな気持ちになります。

《朝、スッキリしたいとき》
42〜43℃の熱めのお湯に、短くサッと浸かります。熱いお湯は、体が活動的になり、頭や気分がスッキリします。

《ぐっすり眠りたいとき》
36〜38℃ほどのぬるいお湯に、ゆっくりと浸かりましょう。神経が鎮まって、ゆっくり休めるはずです。

《もうひと仕事しようというとき》
42〜43℃の熱いお湯に、短時間だけ入ります。全身の活力が高まって、緊張感がみなぎります。

《足のむくみがひどいとき》
40℃前後のお湯に、ゆっくり浸かるといいでしょう。水圧作用により、むくみが解消されます。深く浸かるほど効果的ですが、妊娠中は避けてください。

《筋肉が疲労しているとき》
42〜43℃のお湯に、短時間入ります。冷たい水をかけて冷却し、再び熱めのお湯に入る温浴を交互に繰り返すと、疲労回復を促します。

《肌に配慮したいとき》
40℃前後のぬるめのお湯に、適度な時間、入るといいようです。熱いお湯は皮膚を乾燥させるので、ご注意ください。また、肌をふやけさせるほどの長湯も、肌にとってはよくありません。

好み、気分、目的などによって自由に選べる入浴剤。暑い時期は、ぬるめのお湯に浸かってサッパリと。

お湯の温度や入る時間を考え合わせた効果的な入浴方法とともに、入浴剤を使えば、よりいっそう充実したバスタイムになると思います。入浴剤の種類には、保温効果の高い温浴タイプ、お肌にやさしいスキンケアタイプ、温泉気分を自宅で味わえる温泉タイプなど、バリエーションが豊富にあります。どの入浴剤にするかは、効能効果を重視したり、気分に合った香りや色のものなど、好みでお使いいただけます。

香りの開発にあたっては、研究所にいる香りの専門家が、商品コンセプトを念頭におきながら、ターゲットの嗜好を調査。時代の流れや香水のトレンドをデータとして参考にもしています。ちなみに、一番人気の香りは、やはり「ゆず」。幅広い年齢層に好かれる、定番の香りです。その他、森や自然の香りなども人気があります。

いろいろある入浴剤の中でも最近のおすすめは、「きき湯」のカルシウム炭酸湯タイプです。けだるい疲労や肩こりを緩和する効果があるのですが、大きな特長は38℃くらいの“ぬる湯”で入るという提案です。ぬるいお湯にゆっくり入って、一日の疲れをとっていただきたいと考えたのです。ブリケットという小さい粒の形状を開発し、お湯に入れると炭酸ガスがシュワーッと発泡して、短時間で溶けるように工夫もしました。

入浴剤を楽しく使って、健康で豊かな毎日を。

最近は、分包タイプのニーズが高くなっています。いろいろな入浴剤を試したい、その日の気分に合わせて選びたい、という方が増えているようなのです。先ほどご紹介した「きき湯」も分包タイプを用意しています。量販店やドラッグストアだけではなく、出張先のコンビニエンスストアで購入して使っている男性も多いようです。

ツムラでは、入浴を通じて、健やかで心地よい生活の提供を目指しています。
入浴の大切な役割は「疲れ」を取ること。さらに入浴剤を使えば、より効果も高まり気分転換も比較的簡単にできて、またちょっとした贅沢も味わえるのではないでしょうか。
皆さん、心地よいバスタイムを過ごすことで、健康で、豊かな生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。

外部サイトへのリンクですツムラ 温泉科学プロジェクト(ツムラ 温泉科学プロジェクトのサイトへ)

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