みんすまスタッフがインタビュー!ホテルでも活躍しているフラワーデザイナーに、住まいを花と緑で飾るテクニックをうかがいました。
フラワーデザイナー・山本久子さん

フラワーデザイナー
山本久子さん

色とりどりの花や緑は、気持ちを和ませてくれたり、
空間を華やかにしてくれたりするもの。
そんな自然の潤いを住まいにも取り入れて、上質な空間を創造できれば、
住まう人の心も、暮らしそのものも豊かになりそうです。
そこで、マンダリン オリエンタル 東京のレストランや宴会場にて
花をアレンジしているフラワーデザイナー・山本久子さんに、
花や緑を使って住まいを演出するテクニックを教えていただきました。

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モダンに見せたり、華やかさを演出したり……。生命のある花を飾って、季節を楽しみましょう。

たとえ一輪でも花があると、空間の見え方も、気持ちの面でも全然違います。生命あるものの存在が、とても大きな影響を与えるのです。そんな生命のあるインテリアとして、花を自由に楽しまれるといいと思います。

■花の見せ方
花は飾り方によって、様々な雰囲気を演出できます。もしシンプルやモダンに見せたいのであれば、花の色も種類も少なくすることがコツです。色が増えるほど華やかになり、種類が増えるほどデコラティブになります。

■季節の花
最近は、一年中花があるとはいえ、やはり春に花が咲いて、秋に実になって、冬に枯れるのが基本。草花によって季節を感じられると、暮らしが豊かになります。
□春……やわらかい色の花が多いと、春らしいエレガントな感じ。
□夏……グリーンが多いと、すがすがしい夏の雰囲気。
□秋……茶色や紅葉系の色、実のついた枝などを入れると秋らしい表情に。
□冬……基本的に冬の花はありませんが、冬をイメージする花なら、ポインセチア(クリスマスシーズン)、シクラメン、水仙、寒椿など。

■和の草花もオススメ
季節を感じるには、和の草花もオススメです。春だったら、都忘れ、麦、ぜんまいなどを、焼き物の器などに少し飾るだけでもステキです。

見落としがちなのが花器の存在。家具と同じように、インテリアの一部と考えて。

ホテルやレストランなどに飾ってある花を見るとき、多くの方は花に目がいってしまうのではないでしょうか。でも、器もとても大事なもの。視野を広げて空間全体の中で器を捉えると、きっともっと楽しめると思います。

■家具を選ぶように花器を選ぶ
家具を選ぶのと同じように、器もインテリアのコンセプトに合わせて選ぶと、空間にマッチします。雑誌やホテル、マンションのモデルルームなどに飾ってある花と器も、参考にされるといいと思います。

■シンプルな花器は使いやすい
器の種類もたくさんありますが、まずはガラスなどのシンプルなものを選ぶと、どんな花でもどんな場所でも合わせやすいでしょう。ガラスが冷たく感じたり、飽きてしまったら、石を入れるだけでも見え方に変化をつけられます。白い石や黒い石なら、和の雰囲気を演出できます。

■口径と高さがポイント
花器は、口径と高さが重要な要素です。口径が大きすぎると、花を入れたときに形がくずれてしまうし、背が低い花器に大きな花束を活けると安定しません。花束を入れるのであれば、口径はせいぜい10cmくらいまで、適度な高さがあって、胴体は広がっている形がいいでしょう。

■花束を贈るとき
大きな花束は、花器に入れて飾ることよりも、「花束を贈る」というプレゼンテーションの意味が強いものです。飾ることまで配慮するのであれば、茎を長くしたほうがいいですね。ブーケ風の短い花束であれば、そのまま小さい花器に活けることができます。

■花器のお手入れ
花を生けている花器は、花のアクがこびりついたり、バクテリアが発生するので、徐々に汚れてきます。簡単で効果的なお手入れは、キッチン用の漂白剤を使う方法。漂白剤を10分ほど入れたあと、水ですすぐだけでOKです。漂白剤の代わりに、生の米粒と少量の水を入れてカシャカシャ振る方法もあります。

■食器を使う
ホテルの場合、食するものに植物を飾るということはないので、食器を代用することはありません。でもご家庭の場合は、持っている食器を活用するのも、ひとつの手段ですよね。ただ人を招くときには、食器は食器、花器は花器として使い分ける方がいいと思います。

ひとつ置くだけで空間が生き生きとしてくるのが花。できるだけ身近な場所に置けば、家族みんなで楽しめます。

花を飾る場所はいろいろありますが、生活スタイルを考え合わせると、適切な場所が見えてきます。ふだん誰も使わない床の間や客間に飾るより、家族が目にする場所に飾ることが一番です。

■置く場所の注意
花は乾燥が苦手なので、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。直射日光が強い場所もよくありません。

■トイレに飾る
昔から、よくトイレに花を飾ります。それは、トイレが寒い場所だったので花の持ちがよかったことと、必ず家族全員が目にする場所だったから。今はトイレが暖かいご家庭も多いのですが、家族全員が使う場所である点は変わりません。“トイレに小さな花を飾る。”そんなちょっとしたことが豊かさの表れかもしれませんね。

■食卓に飾る
パーティの食卓に気合を入れて大きな花を置いても、お皿をたくさん並べるために、結局、邪魔になってしまうことがよくあります。食卓の大きさとのバランスを考えて、花の大きさも決めましょう。食事の時は、匂いの強い花も避けたほうがいいですね。また、木に咲く花には虫がいる可能性があるので、桜などの枝ものはオススメできません。部屋のコーナーなど、食卓以外の場所に置きましょう。

■広い空間では
ウエディングパーティのように、広い空間に花を飾るときは、小さい空間以上に全体のバランスを考える必要があります。飾りたい花があるときは、それに合わせてテーブルクロスや椅子カバーなどのインテリアを合わせていきます。もし花が決まっていないときは、まず大きな面積を占める壁、天井、床の色を考慮。そのうえでテーブルクロスを決め、そこに合う花を入れるとバランスよく見えます。同時にすべてを考えるのは大変なので、決めていく優先順位をつけるのがポイントです。

■料理に添える
花の中には毒性のものもあるので、料理に花を飾るときは要注意です。もし飾るのであれば、花屋で売っている花ではなく、食用の花を使いましょう。エディブルフラワーという、食べられる花が食品売り場などに売っています。食べるものは、十分に気をつけてください。

専用の庭なら、自由に草花を植えることができます。自分の手で育てた花を飾れば、喜びも倍増です。

一戸建てなどの専用庭がある住まいでは、自分で育てた草花を部屋に飾る、という贅沢な楽しみ方ができます。苗や球根を植えてから花が咲くまで、時間がかかることもありますが、育っていく過程もまた楽しいものです。

■自然なままの姿で育つ
生産者の手による花は、サイズや形に規定があり、美しいかもしれませんが、逆に言うと味気ない一面もあります。一方、自分の庭の草花は、自然な姿で育っていくもの。矯正しないと、わき枝が出ていたり、大きさがまちまちだったりしています。そんな生き生きと育った自然の草花を、住まいに飾ってはいかがでしょうか。

■庭のお手入れ
庭をどう使うかによって異なりますが、一般に、生け垣はプロの植木屋さんに頼んでいる方が多いようですね。形を整えるには知識も技術も必要なので、プロにお願いするのは正解です。そして、生け垣以外は、好きな草花を自由に楽しまれればいいと思います。秋に球根を植えて、春に花を楽しむ。こういう暮らしは気持ちが豊かになります。

鉢物の植物も育ててみると楽しいもの。水やりなどに注意して、暮らしに自然の息吹きを。

専用の庭がなくても、鉢ものなら植物を育てることができます。ベランダにたくさんの鉢やプランターを置いて、自然の潤いに満ちた暮らしをしている方も多いようです。

■鉢物の水やり
花屋さんでは「水やり3年」といわれるように、実は難しいのが水やりです。鉢物の場合は、表面の土を触って、乾いていたら水をあげるタイミング。水をたっぷりあげて、下から流し、流れきったら受け皿の水を捨て、元の状態に戻します。水が多すぎると根腐れしてしまうので、気をつけましょう。植物を過保護にせず、どちらかというと鍛えるくらいのつもりがちょうどいいようです。

■ベランダに置くとき
マンションのベランダに置く場合、直射日光の当たる場所や、床面からの照り返しのある場所はNGです。また、風の強い場所もよくありません。空調の室外機に近いと、ファンの風が当たることもあるので、気をつけましょう。

草花のある暮らしは、潤いがあって心豊かなものです。ただ、「花を育てたいけれど、忙しくてお手入れが思うようにできず、すぐに枯らしてしまう」という方もいるでしょう。特に女性に多いと思いますが、仕事や家事などで忙しいと、なかなかすべてを完璧にするのは難しいですよね。でも、そのことで自分を責める必要は全くないと思います。余裕ができたときに楽しめばいいのです。そういう心のゆとりがあってこそ、豊かで充実した暮らしが送れるのではないでしょうか。

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