みんすまスタッフがインタビュー!雑誌『セブンシーズ』編集長の山田三夫さんに、豊かな暮らしや生き方について話していただきました。

世界中の文化や人々、ライフスタイルに触れながら、
上質で豊かな暮らしを実現するための術や知恵を紹介しているラグジュアリー誌「セブンシーズ」。
そんな世界の上質を知り尽くし、日本人が考える豊かさの変遷もよく知る立場からは、
本当の豊かさや、これからのラグジュアリーな生き方をどのように捉えているのでしょうか?
編集長の山田三夫さんに話をうかがってきました。

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物心ともに充実した暮らしを実現するには、「ラグジュアリー」「グローバル」が重要なキーワード。

「セブンシーズ」は世界中の文化やブランドなどを紹介されていますが、誌面を通して伝えようとしているのはどんなことでしょうか?

山田さん

1988年の創刊時に作家の故・開高健氏を最高顧問として迎え、『世界にはすごい奴が居る。世界にはすごいものがある』をスローガンに出発しました。それ以来、世界各地に生きる人々や文化、英知を取材し、美しい写真とともに伝えてきています。その中で一貫しているキーワードが、『ラグジュアリー』です。読者層が平均年収約3000万円ということもあり、快適で豊かな暮らしのための情報を提供できるハイクオリティなライフスタイル誌をめざしているのです。もうひとつ、『グローバル』というキーワードも掲げています。セブンシーズという名前が象徴的でもありますが、冒険心や好奇心をもって未知なる世界を知ることだったり、地球規模で物事を考えることも大切にしています。

ラグジュアリーという言葉は、贅沢と捉えてよいのでしょうか?

山田さん

昔は、ラグジュアリーといえば贅沢のことでした。高価で大きいことが成功の象徴、豊かな暮らしの象徴だったんですね。でも最近は変わってきているようです。お金を持っているだけでは、本当の意味でのラグジュアリーではないんじゃないかと。欧米では80年代からQOL(※1)という言葉が出てきて、生活の質が大事だといわれはじめていました。日本では80年代に本物志向が強くなって、世界の一流品を知るようになりましたが、その後バブルが崩壊。21世紀に入ってから、生き方そのものが問われるようになってきたのではないでしょうか。物だけではない、かといって心だけでもない、物心両面の豊かさを追求するようになってきていると思います。

※1:Quality of Lifeの頭文字をとった略語で、生活の質という意味。

「セブンシーズ」2006年3月号

「セブンシーズ」2006年3月号

他の誰でもない、自分自身が満足できる物を手に入れる。それがラグジュアリーな大人のスタイル。

ファッションやアートなどで、世界の一流ブランドやクリエイターを取り上げられていますが、物における豊かさはどのように考えているのでしょうか?

山田さん

物でいえば、ハンドメイドやカスタムメイドといった、自分仕様を追求している傾向にありますね。昔のように「オレはこれを持っているんだぞ」という、これ見よがしのものではなく、自分が納得できるもの、満足できるもの、ということです。それが一点物だったり、オーダー物だったり、手のこんだハンドメイド物だったりするわけです。そういう付加価値のあるものが、区別化という意味でもラグジュアリーなのかもしれません。特に男性の場合は、物を買うときに理由づけが欲しかったりするんです。世界に数点しかないとか、誰々がつくったものとか、レアな素材を使っているとか。当然、値段は高くなりますけどね。

社会のために何ができるかを考えられる。そういう人は、心にも余裕がある、真のカッコイイ人だと思う。

最近は、精神的な豊かさも重要になったとのことですが、それにはどのような背景があるのでしょうか?

山田さん

一番大きいのは、価値観の多様化だと思います。だから実は、上質な暮らしも、豊かな生き方も、一言では表現できないものなんですよね。人によって捉え方はいろいろあって、たとえばLOHAS(※2)も注目されていますし、わびさびの世界が一番上質で豊かだという人もいるかもしれませんね。

LOHASの考え方は、すでに世界的なムーブメントになっていますよね。

山田さん

そうですね。持続可能な物やライフスタイルというのは、気になるところですね。ただ環境意識が高いというだけではなく、具体的にアクションを起こすことが大切だと思います。それは社会貢献、社会還元、チャリティなど、いろいろあると思いますが、社会のために何ができるのかを考えて、一歩を踏み出すことです。それが高額所得者やステイタスのある人の義務でもあると思うし、企業の責任でもあると思います。欧米ではもともとそういう意識が高く、マイクロソフト社のビル・ゲイツやミュージシャンのボノは有名です。日本でもこれからはその方向に進んでいくべきだと思います。

セブンシーズの方針としても、これから『チャリティ』を積極的に応援していくそうですね。

山田さん

ええ。今年の1月号で、チャリティ応援誌を宣言しました。人物をクローズアップするインタビューでも、何らかの社会貢献活動をしている人を選びます。弊社には、小誌を含め、ハーパーズ・バザー、オーシャンズ、クロノスの4誌がありますが、近い将来、この4誌合同でチャリティ・イベントを開催することも検討しています。やはりほんとうにカッコイイ人というは、他者への思いやりのある人、そして人間としての品性、品格のある人だと思います。品性というのは外見に滲み出るものです。今後はとくにチャリティ、サスティナビリティの意識が高いことが大事になっていくでしょう。そういう人が世界で活躍し、認められていくと思います。

※2:LOHASとは、Lifestyles of Health and Sustainabilityの頭文字をとった略語で、健康で持続可能なライフスタイルのこと。

心地よさは、住まいにも暮らしにも不可欠な要素。最愛の人と心地よい時間を過ごすことが一番豊かなのでは。

特集ではさまざまなテーマを取り上げられていますが、住まいに関する特集を組むこともあるのですか?

山田さん

ちょうど2月20日発売の3月号で、「世界のドリームハウス」を特集しています。建築家と住まい手のコラボレーションによる理想の家で、豪邸というよりも名宅といった方がいい個人住宅を集めました。大きさではなく、大切にしたいライフスタイルや自分たちの想いがこめられていて、どれも個性的で魅力のある家ですよ。

その中で、山田さんの印象に残っている家はありますか?

山田さん

表紙にもなっている、断崖絶壁の岬に建つシドニーの家は素晴らしいですね。南太平洋を独り占めしているような住まいなんです。部屋が海に突き出ていて、海上に浮かんでる感覚ですね。外観の曲線が美しく、周囲の環境とも見事の調和しています。建築とは人間が創造する最高傑作のひとつと言われますが、このお宅をまさしくそれを証明していると思います。

話を聞いているだけで、その家で過ごす気持ち良さがわかるような気がします。

山田さん

住まいに『心地よさ』は絶対に必要ですよね。ラグジュアリーって、快適とか心地よさというニュアンスも含まれているんです。高価なものに囲まれた人も羨むような生活もあるとは思いますが、本当はその人自身が心地よくいられて、その人なりの個性があって、エレガントさもある。そうでないとラグジュアリーではないですよね。そういう意味ではやっぱり、『最愛の人と心地よい時間をゆったり過ごす』。これこそ一番豊かなのではないか思います。

外部サイトへのリンクです雑誌 セブンシーズ(セブンシーズのサイトへ)

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