暖かさを演出するインテリアについて、インテリアコーディネーターの方に教えていただきました。
三井デザインテック(株) インテリアコーディネーター・青木こず枝さん

三井デザインテック(株)
インテリア
コーディネーター
青木こず枝さん

住まいの中で暖かく過ごしたいと思ったとき、
まず考えるのが、エアコンや床暖房などの暖房設備。
もちろん、私たちの暮らしに欠かせない、寒い日の強〜い味方です。
でも実際の温度を高める暖房以外にも、何か工夫できることがあるのでは…?
と考えて着目したのが、見た目の印象を決める「インテリア」。
そこで、三井デザインテック(株)のインテリアコーディネーター・青木こず枝さんを
インテリアコーディネートサロン「リブラボ」に訪ね、
実物を見せていただきながら、暖かさを演出する工夫について伺いました。

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暖かく見せるためにまず重要なのは「色」。ファブリックや光の色を暖色系にするのがポイントです。

インテリアを工夫することで暖かさを感じるためには、カーテンやラグ、照明などのアイテムをどう選ぶかが重要になります。そんな中、ほとんどのアイテムにおいてカギを握っているのが「色」です。

色には見た目で感じる温度があり、カラーサークルでいうと、赤〜黄色(図中の5R〜5Y)を暖色、青緑〜青紫(図中の5BG〜5PB)を寒色、そのどちらにもあてはまらない緑や紫を中性色と区別します。文字通り、暖色は暖かく感じられる色で、赤い部屋と青い部屋では、体感温度が3℃も違うといわれるほど。赤い色を見るとホルモンの1種であるアドレナリンの分泌が多くなり、暖かさを感じるのです。つまり、目に入りやすいインテリアアイテムに暖色を使うと、暖かく感じられるというわけです。赤ほどはっきりした色でなくても、例えば中性色の緑の場合、黄色みがかっているか、青みがかっているか、というだけで、感じる温度が違ってきます。

単品で見ているだけではわかりづらいのですが、色が与える効果は大きいので、カーテンやラグなどを検討するときには見比べてみるといいでしょう。

カラーサークル

カラーサークル

各アイテムの素材やスタイルを厳選して、暖かく快適に過ごせる部屋づくりを。

色から感じる寒暖を踏まえたうえで、インテリアを構成するいろいろなアイテムについて、暖かさを演出する素材選びやテクニックをご紹介します。

■ウィンドウトリートメント
窓を覆うカーテンやブラインドなどを、ウィンドウトリートメントといいます。窓から外の冷たい空気が伝わってきやすいので、断熱という意味でもウィンドウトリートメントは大切です。

≪スタイルで考える≫

ウィンドウトリートメントのスタイルは大きく2つに分けることができます。1つはレギュラーカーテン。もう1つは、ロールスクリーンやブラインドなどの、上下(あるいは左右)に開閉するメカものです。使っている布が多いほど断熱効果が高まるので、一般的には、メカものよりレギュラーカーテンの方が暖かく、同じカーテンでもひだを多く取った方が暖かくなります。ただし、大きな窓の場合、布の分量が多くなると開いて寄せたときの「たまり」も多くかさばるので、気をつけましょう。

カーテン類を取り付ける際は、窓枠の中に納めてしまうよりも、窓枠まで含めた全体を大きく覆うと、断熱効果は高まります。特に腰窓の場合、カーテンを天井から床までにするなど、窓を含めた壁全体を覆うと、より暖かさが増します。

メカものの中には、保温・断熱性を高めたプリーツ状のスクリーンもあります。蜂の巣のような空気層をつくることで断熱効果を高めた構造で、優れた省エネ効果を発揮するアイテムです。

≪素材で考える≫

素材でみると、ツルンとした表情のプラスチックは冷たい印象を与えやすいもの。ファブリックが見た目にも実際にも暖かいでしょう。

ファブリックでは、ポリエステルや綿よりもアクリル、プリントよりも織物、薄地よりも厚地の方が暖かく感じます。色とあわせて考えると、寒く感じるのは薄地でブルー系のプリントものです。同じブルーでも、厚地であったり、起毛した生地であれば、また違います。もし気に入った生地が薄かったら、裏地をつけて断熱性を高めることもできます。昼間はレースのカーテンだけにしていることが多いので、暖かさを求めるならレースも厚地を選ぶといいでしょう。

≪タッセルを考える≫※タッセル:カーテンを開けた時にできる「たまり」を束ねるモノ

通常はカーテンと同じ生地のタッセルが多いのですが、ふさふさがたっぷりついた装飾的なタッセルもあります。装飾タッセルならば、見た目に暖かさを感じるのではないでしょうか。ガラス玉を使った涼しげなものもあるので、季節によってタッセルだけ衣替えするのも一案です。

「メカもの」の一例。開き方もさまざま

「メカもの」の一例。開き方もさまざま

2枚のレースに布製の羽をはさんだシェード

2枚のレースに布製の羽をはさんだシェード

タッセル

タッセル

■ガラスフィルム
開口部の断熱性を高めるには、ガラスフィルムを利用する方法もあります。特殊なフィルムを窓の室内側に張ることで、冷暖房効率が30〜40%もアップするというすぐれものです。フィルムによっては、紫外線をカットする、結露を軽減する、ガラスの飛散を防止する、防犯性を高めるなど、いろいろな機能を併せもっています。窓の場所や用途などによって、必要な機能を取り入れるといいと思います。

毛足短いラグ

毛足の短いラグ

毛足長いラグ

毛足の長いラグ

■ラグ
フローリングの床は、床暖房を入れていないと冷たさを感じるので、ラグを使うと暖かさがグッと高まります。ラグにもいろいろありますが、毛足が長く、足触りのやわらかいタイプが暖かく感じられます。素材は、アクリルよりもウールの方が保温性は上です。

ラグは部分敷きとして、リビングのセンターテーブル下に敷くケースが多いのですが、ソファの下まで敷くとさらに暖かくなります。また、カーペットを敷き詰めた部屋や床暖房の入っている部屋でも、ラグを重ね敷きすると、より一層、暖かさを感じます。(床暖房の入った床に敷く場合は、床暖房対応のラグをご使用ください。)

ペルシャ絨毯のようなシルクのラグは、毛の流れに方向性があり、光の当たり方によって色が違って見えることがあります(織り方や柄にもよります)。その特質を利用して、冬は色が濃く見える向きにして敷く、というテクニックもあります。

■照明
照明のランプは蛍光灯と白熱灯に大きく分類できますが、黄色っぽい光の白熱灯の方が見た目にも暖かく感じ、多少熱をもつので実際にも暖かさがあります。ただ、白熱灯は蛍光灯に比べると寿命が短く、電気代もかかってしまいます。
蛍光灯はさらに白っぽい昼白色と、オレンジっぽい電球色があり、同じワット数でも電球色の方が暖かく感じます。照明器具にもよりますが、ランプを換えるだけで寒暖の雰囲気をチェンジできるので、季節によって交換してもいいでしょう。

照明によってファブリックの見え方も変わります。赤や黄色みが入った暖色系は電球色と相性がよく、キレイで暖かく見えます。一方、青などの寒色系は昼白色と相性がいいのですが、青がキレイに見える分、より涼しさを感じるかもしれません。

照明器具には、インテリアファンが一体になったタイプがあります。ファンをまわすと、室内上部にたまった暖かい空気を流せるので、暖房効果を高めることができます。

左:蛍光灯/右:白熱灯

左:蛍光灯/右:白熱灯

ファンつき照明

ファンつき照明

■家具
ガラスや金属を使った家具は、ひんやりとした印象を与えます。一方、暖かみを感じさせるのは、木やファブリック。革の場合は、つるんとした表情の表革よりも、起毛したしなやかさがあるスウェードの方が暖かいでしょう。

まずは、クッションカバーやテーブルクロスなど、ポイント的なファブリックをチェンジしてみては?

壁や床、カーテンなどのように、広い面積を見直すと、暖かさを演出する効果は格段に高まります。とはいえ、リフォームが必要になるなど、大掛かりになってしまうことも…。まずは、気軽に交換できるアイテムから取り組んでみてもいいでしょう。例えば、クッションカバー、テーブルクロス、ランチョンマット、ベッドカバー、ソファにかけるマルチカバーなど。小さい面積であっても、ポイントとなるファブリックを換えるだけで、暖かく感じる部屋をつくることができると思います。どうぞ試してみてください。

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