間取り図を読むポイントについて、マンション開発・設計の担当者に教わってきました。
三井不動産レジデンシャル(株)開発事業本部都市開発事業部 酒井直樹氏

三井不動産
レジデンシャル(株)
開発事業本部
都市開発事業部
酒井直樹氏

住まいを見極めるとき、大切な要素となるのが「間取り図」。
気に入った間取りを見ながら、どの部屋でどんな生活をして、
どこに何の家具を置いて、休日はどこでどのように過ごそうかな…などなど、
新しい暮らしを想像するのは楽しいことですよね。
そんな間取り図には、読み取るべき大切なことがたくさんあるといいます。
そこで、図面を読む上での確認ポイントや注意すべきことについて、
三井不動産レジデンシャル(株)開発事業本部都市開発事業部・酒井直樹氏に聞いてきました。

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納得して購入するためにも、間取り図を正しく読み込みましょう!

マンションのモデルルームを訪れたり、資料を請求されたときにお渡しする書類には、コンセプトを書いた資料や、性能書(三井不動産レジデンシャルではクオリティブック)、図面集、周辺ガイドブック、手続き書類などがあります。この中で、間取りを中心に検討するときに重要なのが図面集。後になって、「知らなかった」とならないためにも、きちんと正しく読み込む必要があります。

■はじめに
図面集を見るにあたって、まず注意事項を読んでおきましょう。
面倒に思われるかもしれませんが、大切な注意点が明記されています。

■大きさの基準
間取り図に表示されている部屋の広さは、畳数表示が一般的です。
でも畳の大きさはいろいろあり、例えば
・京間であれば約1.91m×0.96m
・江戸間は約1.76m×0.88m
と同じ1畳でも大きさは違います。
三井不動産レジデンシャルでは、1畳=1.62m2(小数第2位以下切捨て)として1畳を表示しています。また、壁の内法ではなく、壁の中心線(壁芯のライン)で囲まれた面積で算出しています。その点を十分に理解して、部屋の大きさを見るようにしましょう。

■ガラスの仕様
ガラスには、普通のガラス以外にも網入ガラス、型板ガラス、網入型板ガラスなどがあります。ガラスの仕様の表示は、図面により異なるので、事前に確認しておきましょう。特に、隣地に近い窓は、法的に綱入りガラスを用いることがあります。窓は共有部分になりますので勝手に変更する事はできないため、しっかりと確認することをおすすめします。

■窓の高さ・窓下の高さ
窓の高さは梁の位置によっても異なります。梁が窓の上部にある場合は、天井高より梁の厚さ分窓の高さは低くなります。逆梁工法を採用しているマンションでは梁が床側にあるので、天井いっぱいに窓を取り付けることができるなど建物の構造により形状が変わってきます。
また、バルコニーへ出られる窓では、窓下の立上がりを確認します。ルーフバルコニーへの出入口の場合は防水の関係上、窓下に50cmほど壁が立ち上がるケースが多いからです。三井不動産レジデンシャルでは、段差のない掃出し窓に「▽」、立上がりのある窓に「▼」等の表示をして違いがわかるようにしております。

■家具のレイアウト
ダイニングテーブルやソファ、ベッドなどの家具がきちんと置けるかどうかも、図面を見る際の確認ポイントです。また、家具を置くと隣室へのアクセスが悪い、室内での動きにムダが増える、といったことがないように、動線もチェックしましょう。基本的な家具のレイアウトまで考慮して設計されていることを自分自身の生活動線を考えながら確認することが大切です。

■電気配線
コンセントやTV端子などの電気設備は、必要な数が必要な場所に設けられているかどうかを見ます。三井不動産レジデンシャルでは原則、主寝室にコンセントを3ヵ所以上、リビングダイニングに4ヵ所以上、その他の居室にも2ヵ所以上設置しています。設計変更で増設できないことも多いので、きちんと確かめておきましょう。

■収納
十分な収納スペースがあるかどうかも大切なポイントです。その目安となるのが収納率。住戸面積に対する収納スペースの割合を示したもので、三井不動産レジデンシャルでは6%以上をひとつの目安としています(床から天井までの収納スペースのみをカウントしており、吊戸棚やカウンター下収納などは算入していません)。収納が十分にあれば必要以上に家具を持ち込まずにすむので、すっきりシンプルに生活できるでしょう。

■方位
南向きの住戸が人気ですが、必ずしも南向きにこだわらなくてもいいのではないかと思います。眺望や周囲の環境など、場所によって方位のメリットは異なるからです。また、最近のマンションは断熱性がいいので、方位に関わらず、夏でも涼しく冬でも暖かい住環境が実現しています。

参考:
住まいの先輩「お住まいを購入されたときの、「重視した点と重視しなかった点」を教えてください。
※「重視しなかった点」として部屋の「方位」を挙げた方多数。

■天井の高さ
天井の高さの記載は、図面の中、各ページ内、共通でまとめられているなど、図面集によって異なります。梁が出ていたり、排気ダクトの通り道などにより、部分的に低くなっている下がり天井は、点線で表示されているのが一般的です。家具をオーダーするときなどは、天井高さが関係する場合があるので注意が必要です。

■居室の有効率
専有面積に対して、部屋の面積を全部足した割合がどれくらいか、という「居室の有効率」もひとつの視点です。廊下が長く続いていたり、ムダなスペースがたくさんあると、同じ専有面積でも居室の有効率は違ってきます。とはいえ、ムダであるかどうかの判断は、人にもよります。たとえ居室の有効率が低くても、浴室が広い、収納が豊富など、納得のいく理由があればいいと思います。

図面集
間取り図見本
方位は?
天井高は?
間取りを重ねる
接している住戸との関係を見るために、隣の住戸や上下の住戸をコピーして重ねてみる

間取りの確認においては、隣接する住戸との関係も確かめておくと安心です。具体的には、左右や上下の住戸の間取りを同じ縮尺でコピーし、並べたり重ねたりして部屋の位置関係を見るのです。例えば、ご自分の寝室の隣はどのような部屋なのか、人それぞれ生活パターンは違いますから、異種用途の部屋が重なり合う場合は、注意が必要です。もちろん供給サイドとしては、設計や構造を考える段階で、隣り合わせる部屋の種類を考慮したり、遮音対策を配慮しています。もし気になる間取りがあれば、どのような配慮をしているのかを尋ねてみましょう。

落ち着いて冷静に見定めることも大切。そして、今の生活を豊かにすることも考えて。

間取りを見極める際に大事なのは、自分たちのライフスタイルに合っているかどうかが一番。ご家族みんなで楽しみながら見比べるといいと思います。ただあまり舞い上がってしまうと、大事なポイントを見落としてしまうこともあります。一度、落ち着いて冷静に見直す時間をとることも必要でしょう。そのときには、ここに挙げた機能的な条件なども考慮することをおすすめします。

さらに多くのお客様と接していて感じることのひとつに、"部屋数で選んでしまう"ということがあります。少人数のご家族であっても、「2LDKより3LDK」というように、1部屋でも多い方を選ぶ傾向が強いようなのです。永住を見据えて、家族が増えたときやお子様が成長したときなどを考えることも大事ですが、今現在の状況に合うかどうかという視点も同じくらい大事だと思います。まだわからない遠い将来のために使わない部屋を確保しておくより、今使う部屋を広くした方が、ゆとりのある豊かな生活ができるのではないでしょうか。

間取りを選ぶのは、楽しい作業でもあり、重要な作業でもあります。
いろいろな角度からしっかり検討し、後悔せずに満足のいく住まいを手に入れていただきたいと思います。

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