みんすまスタッフがインタビュー!住居用お手入れ製品の専門家に、フローリングのお手入れについて教えていただきました。
(株)リンレイ・家庭製品部・統括課長 槌谷芳久さん

(株)リンレイ
家庭製品部
統括課長 槌谷芳久さん

現在、日本の住まいの床材で主流となっている“フローリング”。
床にホコリやゴミが落ちていると気になって掃除をするけれど、
フローリングのワックスが取れているのは気付かずに(?)、
お手入れしないままでいる人も多いのでは?
そんなつい見過ごしがちなワックスについて、
その大切な役割やお手入れ方法などを、ワックス専門メーカーの
(株)リンレイ・家庭製品部・統括課長 槌谷芳久さんに伺ってきました。

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フローリングを美しく長持ちさせるために、ワックスは欠かせないお手入れ製品。

床にワックスを塗るときれいな状態をキープできる、ということは、
多くの人がなんとなく分かっていると思うのですが、そもそもワックスには、どのような意味があるのですか?

槌谷さん

ワックスの主な使命は3つあります。

1:床を保護する効果
フローリングの上にワックスの膜をつくれば、
その膜がクッションになって傷や汚れがつきにくくなります。

2:美観効果
ワックスをかけると光沢が出て、美しく見えます。
これは、目に見えない床の凹凸をワックスが埋めて平滑にすることで、
光が均一に反射するからです。

3:ふだんの掃除がラクになる効果
傷や汚れが付きにくくなるので、サッと掃除するだけで
きれいに保つことができるのです。

美観効果 床をピカピカにします

ワックスは大切な役割を果たしているのですね。そのワックスは昔から変わらず今と同じようなものなのですか?

槌谷さん

ワックスはアメリカで発明されてから100年余り経ち、日本には昭和19年に入ってきました。その頃のワックスの主成分はロウ。でも、ロウはツヤを出すために乾拭きしなくてはいけないのと、滑りやすい、という欠点があったのです。そのため、昭和30年代くらいから、アクリル樹脂を主成分としたワックスが登場し、様々な改良を重ねながら現在に至っています。樹脂の利点は、塗るだけでツヤが出るから乾拭きがいらない、滑りにくい、ということ。今でも“ワックスは滑る”というイメージをお持ちの方もいますが、きっとそれはロウワックスの特性からきているのだと思います。

フローリングのお手入れサイクルは、半年に1回⇒塗り重ね、5年に1回⇒塗り直し。
ワックスがけされた床

ワックスは1度塗ったら半永久的にOK! というものではないのですよね。
無色透明なので、取れたかどうかが分かりづらいように感じますがー?

槌谷さん

ワックスを塗り重ねる・塗り直すというメンテナンスの必要性は、認識されていない方が多いと思います。日常的に部屋の中でよく歩く場所は、スリッパの摩擦などで部分的にワックスが取れてきて、ツヤがなくなり見た目も悪く効果も落ちてきます。ワックスの効果を長持ちさせるためにも定期的なメンテナンスをオススメします。

また、ワックスを塗らない場合ですが、新築で入居されたら、最初のうちはもちろん何も塗らなくてもきれいですよね。しかし、一般的なフローリングなら5〜8年くらいで、だんだんフローリング表面に目に見えないひび割れが入ってきて、そこに汚れが入り込んでしまうのです。フローリング自体を長持ちさせるためにもワックスは重要です。

それでは、どのくらいのサイクルで、ワックスのメンテナンスをするといいのでしょうか?

槌谷さん

ワックスの効果がどれくらい長持ちするかは、ワックスの種類によって変わります。一般的には、半年に1回は上塗りをして、5年に1回は専用のハクリ剤を使用して古いワックス被膜を全て剥がしてから塗る、というサイクルがオススメです。きちんとワックスを塗っていれば、毎日の掃除は掃除機などでホコリやチリを取るだけできれいな床を保てます。そして1週間に1回、かたく絞ったぞうきん等で水拭きをし、2〜3週間に1回、洗剤拭きすれば完璧ですね。

ワックスは毎回、全部剥がして塗り替えなくていいんですね。
半年に1回の塗り重ねは、どのような手順で進めるのですか?

槌谷さん

一般的に、
(1)掃除(2)ワックス塗り(3)乾燥
の3ステップで完了です。

まずは(1)掃除をして、床面のゴミやホコリを取り除き、床用洗剤、またはかたく絞ったぞうきん等で水拭きをしてこびりついた汚れを落とします。
次に(2)ワックス塗り。液体タイプなら床面に規定量をたらし、専用ワイパーや布で薄くムラなく広げます。このとき、フローリングの板目に沿って塗るようにするといいでしょう。最後に(3)乾燥ですが、20〜30分が乾く目安です。乾いたら2度塗りをオススメします。しっかり乾かすときれいに仕上がるので、天気の良い日にするといいかもしれませんね。

シートタイプ

気になるところだけを塗り直す、という部分修正もできるのですか?

槌谷さん

できますよ。ただ塗り直した部分と、塗り直していない部分で、若干、濃淡の差ができる可能性はあります。といっても、これも1週間くらいすれば、だいぶなじんで目立たなくなると思います。部分修正のコツは、できるだけ板の単位で区切ることです。そして、隣の板には液がかからないように、塗装などで使うマスキングテープを貼って養生(※)を。
そうすればきれいに仕上がりますよ。

※養生:塗装の際に、塗料で周囲が汚れる可能性がある時、テープや紙などでマスキングし、周囲を保護すること。

ワックスとひと口に言っても、その数、30種類以上。床材、形状、光沢の好みなどに合わせて選びましょう!

家庭の床材に塗るワックスには、いろいろな種類があるようですね。
どうやって選べばいいのでしょうか?

槌谷さん

まずは床材の種類によって選択します。一般的なフローリング、無塗装のフローリング、白木の床、クッションフロア、石床用などがあります。あとは、お手入れのスタイルによって、シート、スプレー、液体、といった形状を選べばいいでしょう。他にも、高い光沢度を実現するタイプ、キッチンなどの水まわりに適した防水タイプ、愛犬の走り傷が付きにくいタイプなどがあります。また、空気中のホルムアルデヒドを吸収するタイプや、天然原料だけを使ったロウタイプなど、環境に配慮したシリーズもあります。

商業ビルや店舗などもワックスがけをしていると思いますが、業務用と家庭用のワックスには何か違う点があるのですか?

槌谷さん

業務用ワックスを使う施設は、土足で歩くこと、土砂や水が持ち込まれる可能性が高いことなどから、強い被膜をつくるようにしています。家庭用は裸足やスリッパなので、そこまで過酷な状況は想定していません。その代わりに配慮しているのが、ツヤやきめ細かさ、均一性、塗りやすさ、という点。業務用ワックスはプロが使いますが、家庭用は一般の方が使うものですから、失敗が少ないように考えてあります。

ワックス塗りは、できるだけ簡単に、できるだけ楽しく、そして環境や体にやさしく。

どうしてもワックスがけは大変というイメージがあります。実際はどうですか?

槌谷さん

ほとんどの場合、液状タイプのワックスを使うので、やはり簡単な作業ではないかもしれませんね。家具を移動させないといけないし、床にかがんで雑巾で塗るわけですから。そこで最近、ワイパーに装着して使えるシートタイプの『オールワックスシート』を開発しました。これなら、ワイパーをフローリングの板目方向にスーッと軽く滑らせていくだけで、あっという間にワックス塗りができます。シートが3層構造になっていて、含浸させている液が徐々に染み出るように工夫してあるので、1枚で約6畳分の床に塗ることができます。簡単な作業で本格的にワックスが塗れるので、“大変”“面倒”と思っていた方にも、日常的に取り入れていただけるのではないでしょうか。忙しい年末の大掃除にぜひお役に立てていただきたいと考えております。

オールワックスシート

誰でも簡単にワックスが塗れるのであれば、私たち、使う側としては嬉しいですよね。
これからの開発も、この方向に進んでいきそうですか?

槌谷さん

最近はフローリングを使った部屋が増えているので、どこのご家庭でもワックスは欠かせないものになっていくと思います。そのため誰でも気軽に使えるように、ますます簡便な方法が増えていくでしょう。また近年、各分野で大きく取り上げられているシックハウス、アレルギー過敏症等の環境問題についても、ワックスとして貢献できる製品の開発を行っていきたいと思います。現在でも環境配慮シリーズはありますが、今後もさらに重要になっていくでしょう。

外部サイトへのリンクです株式会社リンレイ(リンレイのサイトへ)
外部サイトへのリンクです床のお手入れ読本(リンレイのサイトへ)

■ワックスがけについてはこちらもご覧ください。

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