まずご紹介するのは、「ウィンチェスター・ミステリーハウス」です(Winchester Mystery Houseのサイトへ) 。ここはだいぶ前から気になっていた建築物ですが、このたび初めて訪れました。「西部を開拓した銃」として名高いウィンチェスター銃を生み出したウィンチェスター銃器社の社長夫人が、夫の亡き後豊富な資金を投入し、彼女が死去するまでの38年間の長きにわたり、絶え間なく増築し続けた6エーカーに及ぶ広大な屋敷群です。西部大開拓時代の栄光の残照がこのような形でシリコンバレーの中心のサンホセ市に今もしっかりと残っていることにまずは驚きました。
彼女は、「夫と娘の早世はウィンチェスター銃で殺された多くの人々の呪い」と考え、その霊たちを迷わせるために迷路のような奇妙な屋敷を作り続けたのだそうです。屋敷はとりとめなく広く複雑に出来ていて、天井で行き止まる階段があるかと思えば、何もない空間にいきなり
開かれる2階の扉など、奇妙な仕掛けが数多く仕組まれており、忍者・からくり屋敷みたいです。
彼女の愛した数字は13で、それが建築やインテリアのいたるところでとりこまれています。例えば帽子掛けの数、シャンデリアの蝋燭の数、一つの窓枠内の桟の数・・・・など。彼女の大のお気に入りが蜘蛛の巣のデザインというのも不気味です。亡霊に始まる建設動機や設計の奇妙さはなんと形容してよいのか表現が思いつかず、「ミステリーハウス」というのが絶妙なネーミングなのかなと納得いたしました。 |