ツァイ・ヨシコ 暮らしの情景 暮らしに独自の美学をもつツァイ・ヨシコさんが綴るエッセイシリーズ。身の周りの事から旅先で切り取った印象深いシーンまで、詩情あふれるヨシコ・ワールドをご堪能ください。 みんなの住まい メールマガジン メンバー登録はこちらから ツァイ・ヨシコ -暮らしに独自の美学をもつツァイ・ヨシコさんが綴るエッセイシリーズ。身の周りの事から旅先で切り取った印象深いシーンまで、詩情あふれるヨシコ・ワールドをご堪能ください。
上海紀行(1) −未来と過去の交差点に立って

皆さま、こんにちは、しばらくご無沙汰しておりましたが、この「みんなの住まい」でまたお近づきになれる機会を得ました。お変わりなくお元気でいらっしゃいましたか。今回より旅先のレポートを中心に私なりの住まいや暮らしの情景についてお話したいと思います。スタートは上海です。

この旅もまた夫の学会のお供でした。上海、南京、ナポリでそれぞれ会議があり約3週間の長旅でした。まず上陸したのが1年ぶりの上海です。浦東飛行場の税関を出ると、まず目に付いたのは1年前まではいなかった磁気浮上車(リニアモーターカー)の案内嬢。「歓迎乗座磁浮車」のたすきを袈裟にかけたチャイナドレスの美人たちでした。時速430キロで上海まで7分で到着する夢のような乗り物です。前々から乗りたかったのですが、上海在住の義姉の差し向ける運転手にいつも飛行場に出迎えられ、このたびも自動車で市内に向かいました。確かにこれもラクチン。

義姉のアパートメントのリビングルーム

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義姉のアパートメントのリビングルーム

義姉のアパートメントの屋上庭園のほんの一部。すぐ先にプールとレストラン・バーなどがあります。

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義姉のアパートメントの屋上庭園のほんの一部。
すぐ先にプールとレストラン・バーなどがあります。

義姉は最近新しい250m2のアパートメントに引っ越し、今回は初めての訪問です。義姉義兄はスタンフォード大学で教鞭をとってきた教授夫婦に過ぎませんが、30何年間勤めた大学を数年前引退した後、あっさり上海に引っ越してきました。生活の楽しさと安さがカルフォルニアと段違いなことが理由だそうです。実は現在アメリカからは、引退後の人々が大勢上海に移住してきているということです。そもそもここへ向かう機上で見た航空会社の機内誌の広告で、上海の1500m2級のアパートメントや庭に人工川の流れる一戸建て住宅の広告の羅列に驚かされ圧倒されていました。義姉のアパートメントも予想通り大理石を惜しみなく使った豪華なものでした。写真は彼女のリビングルームで、大きさは約30畳以上、8畳の食堂、8畳のキッチン、そしてメイド室と隣接しています。アパートメントの3階の屋上には、広々とした屋上庭園、あずまや、プール、レストランなどが完備され羨ましい限りです。

義姉の住んでいる上海の徐匯区の多くの道路は、プラタナスの大樹が天蓋を作る素敵な道です。写真は洒落たカフェの立ち並ぶことで有名な衡山通りの一角で、私たちのよく泊まるホテルの付近です。ここに泊まって朝一番の楽しみは、ホテルの向かいの公園に行き、人々の日常に触れることです。太極拳や体操の健康マニアの一群と少し離れて、鳥籠を並べ愛鳥を愉しむグループに出会いとても嬉しくなりました。大変な勢いで変貌し「未来都市」へ向かう上海ですが、 一方では昔から変わらない人々の暮らしが、静かにリズムを刻んでいるのですね。

上海名物のプラタナスのトンネル

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上海名物のプラタナスのトンネル

早朝、鳥のさえずり比べを愉しむ人々、画眉鳥や九官鳥など。

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早朝、鳥のさえずり比べを愉しむ人々、画眉鳥や九官鳥など。

新天地の夜

ツァイ・ヨシコ

東京でのマンション暮らしと群馬での田舎暮らしを舞台に活躍するインテリア・デザイナー。時間に磨かれた古い家具を現代の暮らしのマッチさせるヨシコ流インテリアには、ファンが多い。公私ともに国内外への旅が多く、独自の視点による見聞も暮らしを豊かに彩っている。

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