◆ 門松やしめ飾りで年神様をお出迎え
お正月には、家の外に門松やしめ飾りを飾りますね。これは、年神様をお迎えするための大切な印。一つ一つに込められた意味を理解して、大切に飾ってくださいね。
■門松
昔はどの家庭でも、山から松や竹を切り取ってきて、門柱に門松を立てました。これは、年神様をお迎えするための“よりしろ”の役割をしています。今風にいうと、年神様への「ウエルカムボード」といったところでしょうか。松は、いつまでも緑のままでいるところから繁栄の象徴とされ、竹は、すくすくとまっすぐに伸びる力強さから、縁起の良い木とされているんですね。
■しめ飾り
最近の住宅事情から、門松よりもしめ飾りを飾る家庭のほうが多くなってきました。しめ飾りは、神様の聖域を示すしめ縄に、奉書紙や半紙などで作った「しで」を垂らして、ウラジロやユズリハ、葉つきのダイダイやエビなど、縁起物を結わえつけたしめ縄のことで、玄関の正面などに飾ります。ちなみに、しめ飾りに使われる縁起物には、昔からいろいろな願いが込められているんですよ。
・ウラジロ(裏白)=常緑のシダ植物。裏が白いところから「裏表がない」「清浄」という意味に。
・ユズリハ(譲葉)=常緑の高木。新しい葉が出ると古い葉が落ちるところから「子孫繁栄」の意味に。
・ダイダイ(橙)=常緑で冬でも実が落ちないところから「家系が代々栄える」という意味。
・エビ=腰が曲がるほどの長寿という意味。
最近は、干支の飾り物をつけたものや布細工のものなど、たくさん種類が出ているので、選ぶのも楽しいですね。
また、門松やしめ飾りを飾るのは、12月26日〜28日、30日です。29日は九=苦に通じるので、縁起が良くないとされていますし、31日は「一夜飾り」といって、「一晩で飾り付けをする葬儀のようだ」ということで、昔から避けられてきました。ですから、門松やしめ飾りは早めに用意して、新しい年に備えてくださいね。
ちなみに、門松やしめ飾りは、松の内が終わる1月7日まで飾っておきます。
時間に余裕のあるときには、しめ飾りを手作りするのもおすすめです。例えば、ホームセンターで飾りの付いていないしめ飾りを購入して、好きな花を飾り付けたり、千代紙で作った鶴や、羽子板や独楽などお正月らしいモチーフの小物をつけたりすると、自分だけのしめ飾りができあがりますよ。さらに、金銀の水引を結びつけるとぐっとお正月らしく仕上がります。お子さんがいらっしゃる方は、一緒に作っても楽しいですね。
◆ 家の中をお正月のしつらえに
みなさまは、鏡餅を飾っていますか?私の実家でも毎年飾っていますが、小さい頃、鏡餅が飾られると「もうすぐお正月!」という気持ちになって、とてもワクワクしたことを思い出します。
そもそも鏡餅とは、年神様へのお供え物。昔から鏡には魔除けの力があると信じられていて、円形をしているところから、玉=魂の象徴とも考えられてきたんですね。正式には、三方にウラジロやユズリハを敷き、その上にお餅を重ね、串柿や伊勢海老、ダイダイなどを飾ります。鏡餅は神棚や床の間などに飾りますが、床の間がないお家では、サイドボードや飾り棚の上など高い場所に置いてくださいね。
鏡餅は1月11日に鏡開きを行い、お汁粉などにしていただきます。その際、大切なお供え物を刃物で「切る」ことはしないで、“運を割り開く”という意味から、木槌で割るのが習わしとなっているんですよ。鏡開きは、神様から幸せを分けてもらうための伝統なので、家庭でもぜひやってみてくださいね。私も来年のお正月には、家族で鏡開きをしたいと思っています。
部屋の中も、お正月らしくしつらえましょう。床の間に新年にふさわしい書画を掛けたり、生け花や香炉、屠蘇器(とそき=おとその器セット)を飾ったりすると、改まった雰囲気になりますね。床の間がない場合でも、お正月用にアレンジした生花を玄関やリビングなどに飾るだけで、お正月気分が高まりますよ。松竹梅や千両、水仙などの和のお花がよく使われますが、特に決まりはないので、私は洋風のお花を生けることもあります。おめでたい色を意識した紅白のバラや、白いカラーなどを組み合わせて、モダンにアレンジしてもおしゃれですよね。また、わざと和食器に生けたり、水引をあしらったりすると、お正月らしさがプラスされますよ。
門松やしめ飾り、鏡餅などのお正月の習慣には、それぞれに意味が込められています。それは、私たちの先祖が年神様に幸福や長寿を祈り、子孫繁栄を願って、“ハレの日”を大切にしてきた証のようなものかもしれません。今年はぜひ「住」のしつらえで“ハレの日”を演出して、ご家庭のスタイルを楽しみながら、新年をお祝いする準備をしてくださいね。また、お子さんがいらっしゃる方は、一緒に用意をしながら、ぜひお正月の意味を説明してあげてくださいね。
さて、次回はお正月の「食」にスポットを当ててお話したいと思います。おせち料理、お雑煮の意味や、いただくときのマナーについてお話しますので、どうぞお役立てください。
Q:
飾り終わったしめ飾りは、いつ頃、どのように処分すればいいのでしょうか?
A:
松の内が終わる1月7日(地域によっては15日)に取り外し、できるだけその日のうちに燃やすのがしきたりとされています。神社などで“お焚きあげ”として焼いてもらえるので、問い合わせてみてくださいね。