暮らしに装いを エレガントマナー
マナーコーディネーター 住友淑恵
1977年生まれ港区在住。有限会社セレブスタイル(マナー教室)を設立。現在サロンでのレッスンや企業研修、講演、トークショー、TV雑誌メディアへの出演も多数。 ◆このブログでは、毎日をもっと豊かにするための、簡単で楽しいマナーのノウハウをご紹介します。
葬祭のマナー〜通夜、葬儀・告別式での振る舞い〜
2008年10月02日
旅立つ人を見送る際に
みなさま、こんにちは。住友淑恵です。

私は子どもができてから、以前にもまして、命のありがたさやつながりを強く感じるようになりました。生まれてくる命があれば、人生をまっとうする命もあります。大切な人が旅立つときには、それが家族でなくても、深い感謝の気持ちで見送りたいものですね。

お葬式に参列するとき、どう振る舞ったらよいか戸惑ってしまう、という方も少なくないようです。また、親しい人が亡くなったときは、なかなか冷静に対処できないものですよね。いざというときにあわてないためにも、通夜や告別式にふさわしい、服装や振る舞いについてのマナーを知っておくことは大切です。

葬祭のマナーは、「万事控えめ」が基本。ご遺族の気持ちに応えることが大切なので、こちらから積極的に働きかけることはしません。相手を思いやって行動するのはマナーの原点ですが、実は一番難しいことかもしれませんね。

今回は、ご遺族の悲しみに寄り添い、旅立つ人を見送る際に役立てていただきたい葬祭のマナーを、通夜や葬儀、告別式の流れに沿ってご紹介しようと思います。
マナー語録
葬祭では控えめに、慎み深く
訃報を受けてから通夜まで
突然の訃報は、気が動転するものです。知らせを受けたら、落ち着いて、喪主名、通夜や告別式の日程、宗派や自分の役割を確認します。ご遺族は想像する以上に忙しいので、ごく親しい関係を除いて、通夜前の弔問は遠慮しましょう。また、お別れの儀式へは、通夜、葬儀・告別式のいずれかに参列しますが、故人と親しかった場合は両方へ参列しても構いません。

一般的な通夜では、まず、受付で香典を渡して記帳します。ときどき、不祝儀袋を直接バッグから取り出す方を見かけますが、袱紗は「大切なものを無事に届ける」という気持ちの表れ。必ず袱紗に包んで持参しましょう。受付がすんだら、遺族や近親者の後ろの席へ到着順に座り、順番に焼香します。焼香については、次回詳しくご紹介しますね。

その後、通夜ぶるまいと呼ばれる酒席に案内されることがあります。その際は、遠慮せずに受けてくださいね。なぜなら、通夜ぶるまいは弔問に対するお礼であり、また、故人の供養でもあるからです。少しでも箸をつけて、ご遺族の気持ちに応えることが大切です。

通夜は本来、家族や親しい人たちが故人を偲んで一夜を明かすものでした。でも今は、18時〜19時ごろに始まり、21時ごろまでに終了する「半通夜」が主流です。参列者も近親者に限らず、告別式に参列できない人たちも訪れるようになりました。通夜では、まだ葬儀や告別式の準備もありますので、ご遺族も忙しくされています。長居をしないということを心がけましょう。

葬儀・告別式に参列する
葬儀とは、故人の冥福を祈って遺族や近親者が行う儀式。また、告別式は、友人や知人が最後のお別れをする儀式です。最近では、続けて執り行うことが多いので、葬儀から参列するのが一般的ですね。

当日はまず、受付で香典を渡して記帳します。通夜で香典を持参している場合は、「昨夜も参りました」と伝えて記帳だけ行いましょう。式の最中は、常に厳粛な気持ちで。もし、知り合いに会ったとしても黙礼のみをするなどして、できるだけ私語は慎みましょう。
遺族が最後のお別れをして棺を閉じたら、喪主挨拶の後、出棺となります。このときは冬でもコートを脱ぎ、合掌して見送るのがマナー。また、火葬場へは近親者だけが同行しますが、ご遺族に声をかけられたら応じてくださいね。
葬儀・告別式が終わり、通夜と同様、酒席に案内をされたらお受けします。その際は、故人と親しい間柄でなければ長居をしないようにします。

通夜や葬儀・告別式では、遺族への直接の挨拶は必要ありません。参列したことで弔意は伝わりますから、わざわざ探して声をかけるのは控えましょう。
また、酒席などで会話をする際は、亡くなった理由などにはあまり触れないようにしましょう。ご遺族のお気持ちとして、触れてほしくない事情があるかもしれませんし、まだ癒えていない悲しみが深くなってしまうかもしれません。辛いお気持ちを抱えながら、見送りの儀式を執り行わなければならないご遺族の心情と状況を察し、「万事控えめ」の言動を心がけてくださいね。

今回は、訃報を受けてから告別式までの流れに沿って、参列者のマナーについてお話しました。大切なのは、亡くなった方を悼み、愛する人を失ったご遺族をお慰めする気持ちで参列すること。そうすれば、自然と場にふさわしい控えめな振る舞いができると思いますよ。

さて、次回は、今回ご紹介した振る舞いから「焼香」をピックアップしてお話しようと思います。今まで、なんとなくすませていたという方もいらっしゃるかのではないでしょうか。どうぞ、ご参考になさってくださいね。

みんすまスタッフが聞く!こんな時のマナーって?
Q:
上司のお父様の告別式が、友人の結婚式と重なってしまいました。やっぱり告別式を優先すべきでしょうか?
A:
この場合は、通夜に参列すればOKです。マナーの考え方では、“結婚式は、一生に一度しかない大事なお祝い事”とされていますので、故人がよほど近い関係でなければ、結婚式を優先させます。これは、通夜、告別式、弔問とお別れの機会が複数回あるということも関係しています。通夜にも参列できないときは、後日、上司にお詫びをし、改めて弔問に伺いましょう。また、ご遺族は忙しいので、参列できない旨を事前に連絡する必要はありません。
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