暮らしに装いを エレガントマナー
マナーコーディネーター 住友淑恵
1977年生まれ港区在住。有限会社セレブスタイル(マナー教室)を設立。現在サロンでのレッスンや企業研修、講演、トークショー、TV雑誌メディアへの出演も多数。 ◆このブログでは、毎日をもっと豊かにするための、簡単で楽しいマナーのノウハウをご紹介します。
引越しのマナー〜 引越し祝いについて 〜
2008年08月28日
お祝いでの気遣い
みなさま、こんにちは。住友淑恵です。

引越しのいろいろな場面に登場するマナー。それは、引越す側だけでなく、引越しの知らせを聞いた側にも必要ですよね。今回は、引越す方に贈るお祝いなどについてのマナーと、そのお返しについてのお話をしたいと思います。

まず、引越し祝いを考えたとき、そこには大きく分けて2つのパターンがあります。それは、新築の家やマンションを購入されて引越される場合と、そうでない場合です。
新築の家やマンションへの引越しは、とても大きなお祝い事。ご祝儀袋やのし紙の表書きも、戸建ての場合は「御新築御祝」、マンションの場合は「御新居御祝」となります。
そうでない場合のお祝いですが、引越される事情によっては、ちょっと気を遣わなくてはいけないことがあります。

例えば、ご主人が昇進されたことに伴う引越しであれば、お祝い事ですよね。表書きも「御祝」となります。でも、あまり良くない理由で引越される場合には、「お引越し、おめでとうございます」とは言えませんよね。その場合の表書きは「御餞別」にするのがいいと思います。ただ、こうしたことはなかなか耳に入ってきにくい話でもありますので、はっきりとした理由がわからないときは、「御祝」としましょう。

餞別についてですが、引越しのお祝いにふさわしくない、ということではないんですよ。餞別は、“門出を祝う”という意味や“無事を祈る”というような意味のもの。ただ、長期の旅行に出られる方へも贈るなど、餞別はいろいろな場面で使うもので、お祝い事に限定されてはいないのです。ですから、「御祝」よりも少し控えめな位置づけになるということです。
マナー語録
相手を察する心で贈る 引越し祝い
引越し祝いを贈る際には、その相場や贈るタイミングなど、いろいろと悩んでしまうという方も少なくないのではないでしょうか。基本は、“相手が喜ぶことを考える”です。では次に、引越し祝いについてもう少し具体的なお話をしましょう。
“相手にとって何がいいか” を考える
引越し祝いには、相手が新しい住まいで使うものや飾れるものを選ぼう、と考える方も多いかと思います。相手の好みがわかっていれば、インテリア雑貨やキッチン用品などを贈ると喜ばれますよね。とくに、ちょっと上質だったり、デザインが凝っているものなど、「なかなか自分では買わない」というような品物がおすすめです。また、観葉植物やルームランプなどもいいと思います。ただ、大きくて場所をとるものや、置くだけで部屋の雰囲気を変えてしまうものなどは避けたいですね。“新しい住まいのじゃまにならないもの”を選ぶこともポイントです。

相手の好みがわからない場合は、難しいですね。そんなときは、相手の希望を聞くことがベスト。また、ギフトカタログを贈るというのもいいと思いますよ。サプライズも素敵ですが、予め相手の希望を聞いたり、相手に選んでもらうということは、他の方からのお祝いと重なる可能性も低くなりますよね。

また、相場の額のお金や商品券を贈っても構いません。“お金で贈るのは、なんだか生々しい”と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、引越しは何かと物入りです。きっと、「助かります」と喜んでいただけると思います。

引越し祝いの相場ですが、もし相手が友人なら、新築祝いは5,000〜10,000円くらい。その他の場合は、3,000〜5,000円が目安です。親類や兄弟などは、ちょっと額も上がり、新築祝いなら10,000〜30,000円、その他の場合は5,000〜10,000円とされています。ただ、これはあくまで目安。親しくなるほど額を上げるとされていますので、とても親しい友人であれば、相場としては親類と同等と考える場合もあります。

贈る際ですが、品物の場合は、赤白蝶結びの水引がついたのし紙をかけます。お金などの場合は、赤白蝶結びの水引で、のし付きの祝儀袋に入れましょう。また、贈るタイミングは「引越しました」というお知らせをもらったときか、引越しパーティーなど、お披露目の場に招待されたときに持参します。その際には、是非お祝いのメッセージカードを添えてくださいね。

もし、引越し祝いを品物で贈るなら、気をつけていただきたいことがあります。引越し祝いには、贈る品物にタブーがあるのです。キャンドルや灰皿、暖房器具など、火に関連するもの。それから、赤い色のものも、火を連想させるのでNGとなりますので、お祝いの品を選ぶときには注意してくださいね。

引越し祝いのお返し
引っ越し祝いのお返しは、新しい住まいでのお披露目パーティーに招待することとされています。手料理などを振る舞って、精一杯のおもてなしをしましょう。その際は、以前ご紹介した「来客への心配りとおもてなし」を参考にしてくださいね。そして、帰りにはお土産を渡すことを忘れずに。これは引越しのお披露目パーティーに限ったことではないんですが、ホームパーティーでは、そのときに飲んだお茶の茶葉や出したお菓子などを包んで、お土産として渡します。もちろん、別にお菓子などの小さな包みを用意しても構いませんよ。

ただ、お祝いをいただいた方を全員招待するわけにはいきませんよね。「招待できない方には、お返しの品を贈らなくては」と思う方も、多いのではないでしょうか。しかし、新築祝いでも、その他の引越し祝いでも、一般的にはお返しは不要。お礼状を送ればOKとされています。でも、私はこのお返しに関して、「お返しをしたいと思ったらしてもOK」というのが、現代のマナーと考えているんです。それは、「感謝の気持ちが生まれたなら、素直にそれをカタチにしよう!」という思いを大切にしたいから。大事なのは形式ではなく、そこにある“相手に対する気持ち”だと思うからです。それで、相手を不愉快にさせるならするべきではありませんが、お返しを受け取って、嫌な気持ちになる方はいないですよね。

もし、お返しをするなら、新築祝いの場合は「新築内祝」、その他の場合は「御礼」という表書きで、いただいたものの1/3から半額くらいを目安にしていただければいいと思います。いただいた品物の値段がわからないときは、相場から考えるといいですよ。もちろん、お礼状で十分気持ちが伝わる、という方はそれでOKです。

引越しにまつわるいろいろなマナーは、“ちょっと面倒”と感じることもあるかと思います。でも、こういうときにこそ、人とのお付き合いの仕方を見直せるチャンス!きちんと人と向き合い、心を通わせ、笑顔でいられる関係をつくるきっかけにしていただけたらうれしいです。

さて次回ですが、雨の日のマナーについてご紹介しようと思っています。台風シーズンで、傘などを持ち歩くことも多くなりますよね。こうした場面でも、“気遣い”がポイントに。きっと人との向き合い方について、考えることができるのではないかと思います。どうぞ、お楽しみに!
みんすまスタッフが聞く!こんな時のマナーって?
Q:
職場の同僚と上司から、連名でお祝いをいただきました。お返しをしたいのですが、上司と同僚で、同等の品物を贈ってもいいものですか?
A:
連名でいただいたのなら、とくに差をつける必要はありません。もし、いただいたものが高額でなければ、「皆さんで召上がってください」と、お菓子などを差し上げるのもいいと思いますよ。
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