暮らしに装いを エレガントマナー
マナーコーディネーター 住友淑恵
1977年生まれ港区在住。有限会社セレブスタイル(マナー教室)を設立。現在サロンでのレッスンや企業研修、講演、トークショー、TV雑誌メディアへの出演も多数。 ◆このブログでは、毎日をもっと豊かにするための、簡単で楽しいマナーのノウハウをご紹介します。
“心を贈る”訪問〜訪問先での振る舞い編 〜
2008年03月19日
玄関先からはじまるマナー
みなさま、こんにちは。住友淑恵です。

前回は、訪問の準備に関するお話をしました。とても基本的なお話だったかと思いますが、「基本的なことを、基本的にできることが大切」であると、私は常々感じています。この言葉は、マナーを実践する方々に向けてよくお伝えするのですが、日常の中で、当たり前のこととして「基本」を実践し続けることが大事だということなんですね。
そうしたことが土台として身についていれば、どんな場面でも臨機応変に対応することができるのだと思います。

さて今回は、実際に訪問先へ伺ったときのマナーについてご紹介します。
つまり、実際に向き合ったときに必要となるマナー、ということですね。訪問先では、礼儀正しいことはもちろんですが、美しい身のこなしもポイントです。美しい身のこなしの方を見ると、なんだか気持ちが良いですよね。おもてなしをしていただく相手に、そんな気持ちになっていただけるように、動作の端々に気を配ってスマートな振る舞い方を心がけましょう。

マナー語録
美しい身のこなしは、相手を思う気持ちの表れ
では、具体的にどんな動作が“美しい”と思われるのでしょうか?今回は、訪問先で考えられるいくつかの場面を例に挙げてご説明しましょう。

まずは、玄関先。コートなどを着ている場合は、予め脱いでから呼び鈴を鳴らします。コートを着たまま相手のお宅へ入ることは、外からの汚れを持ち込むこと、とお考えいただければよいかと思います。ただ、お宅へ上がらずに玄関先でご挨拶をするだけという場合や、伺ってみないとお宅へ上がるかどうかわからない場合は、着たままでOKです。

出迎えていただいたら、まずは簡単なご挨拶。お迎えいただいたことへの感謝の気持ちを短くお伝えしましょう。
上がらせていただく際にはクツを脱ぐわけですが、ときどき、相手におしりを向けてクツを脱ぐ方をお見かけします。脱いだクツの向きを変えなくても済むようにとのことでしょうが、これはNGですよ。
今回ご紹介する場面に限らず、おしりは相手に向けないように気をつけてください。クツを揃えるときも同じように気をつけて、相手に対してちょっと斜めに背を向けるようにするのが美しい身のこなしです。というのも、人は相手に真正面を向かれると威圧感や緊張感を感じるといわれているから。ちょっとした動作が相手の気持ちを穏やかに保ってくれるんですね。

お部屋に通していただいたら、改めてきちんとご挨拶をしましょう。
迎えていただいた感謝の気持ちや、ご無沙汰していたのならそのお詫びなどを伝えます。お土産を渡すタイミングは、このご挨拶のときです。
ちなみに、お土産を渡す際の「つまらないものですが」という決まり文句は、あまり好ましいものではありません。そう言う代わりに、「お口に合うといいんですが」と添えながら、「とてもおいしそうでしたので、ぜひ召し上がってください」とか「私の気に入っているおいしいお菓子です」というような、素直な言葉でお土産を渡していただきたいですね。
そのほうが、受け取る相手も気持ちが良いですし、“つまらないもの”なんていわれたお土産もかわいそうですからね。

お茶とお菓子のいただき方
訪問先では、お茶やお菓子をいただくこともあるでしょう。
「食べる」という動作は、意識しなくても、特に相手の印象に残るもの。美しい身のこなし、つまり“お作法”でスムーズにいただければ、お茶の時間をもっと楽しむことができます。

お飲み物をいただく作法は、それをどの食器でいただくかで作法が変わります。
湯飲み茶碗でお茶をいただく場合は、まずお茶碗を両手で持ち上げます。飲むときは、右手でお茶碗を持ち、左手を底に添えていただきましょう。
カップで紅茶やコーヒーをいただく場合は、カップの持ち手を右手に持ち、口に運びます。お砂糖などを入れて混ぜるとき、カップにスプーンがあたって音が出ないように気をつけてくださいね。

次に、お菓子をいただく場合のお作法です。お菓子といってもさまざまですが、大きく分けると、自分でフォークなどを使って切る動作が必要になるものと、手に持っていただけるものの2つがあるでしょうか。自分で切っていただくものは、もちろん切る動作がポイントになります。和菓子は、てっぺんからようじをさし自分の手前側におろして、切り口が相手から見えないようにいただきます。また、ケーキなどの洋菓子は、左端からフォークで一口ずつ切っていただきます。ミルフィーユなどの崩れやすいものは、横に倒してからフォークで切るようにすると、スマートに食べることができますよ。
手に持っていただくお菓子の場合は、「懐紙」が便利ですよ。懐紙とは、和紙を2つに折りたたんだもので、器にしたり、食べるときに口元を隠したりすることができるだけでなく、ちょっと口や手を拭うときにも使えます。懐紙がスマートに使えると、身のこなしも美しく見えますから、是非持っておいていただきたいアイテムです。

でも、いざ相手の前でお作法を実践するとなると緊張してしまう、という方もいらっしゃるのではないかと思いますが、大切なことは「丁寧に誠意を持って振る舞う」という気持ちです。お作法はそれをカタチにしたもの。気にするのは、“カタチ”ではなく“気持ち”なんだということを意識すれば、あまり緊張せずに振る舞えるのではないでしょうか。

おいとまするとき
どんなに楽しい時間であったとしても、あまり長居するのはいけませんね。相手のご都合にもよりますが、訪問してだいたい30分〜1時間経ったら、そろそろおいとまの時間と考えてください。

おいとますることをお伝えするときも、それまでの楽しい会話の流れをさえぎらないように気をつけたいですね。お伝えするタイミングとしては、例えば、お茶を入れ替えていただいたとき。「これをいただいたら、おいとまさせていただきますね」と、あらかじめおいとまする意思と残りの滞在時間を、さりげなくお伝えするのがスマートです。

帰るときに、コートなどを着る場合は玄関で。ちなみに、コートを着るときも、相手から少し斜めを向いて着るようにすると良いですね。また、話が尽きなくて名残惜しいと思っても、帰りのご挨拶が長い立ち話にならないように気をつけましょうね。

訪問先でのマナー、いかがでしたでしょうか。実は、私は大の訪問好き。人に会うことが好きというのはもちろんですが、お宅におじゃますることで、その方のライフスタイルを感じさせていただけることがうれしいんですね。その方の素敵な生き方のエッセンスを発見したら、ときどきそれを参考にさせていただいたりもしています。

さて、次回は“お手紙”を書く上でのマナーです。訪問時にお世話になった感謝の気持ちを伝える“お礼状”についてのお話もしたいと思っていますので、どうぞお楽しみに!
みんすまスタッフが聞く!こんな時のマナーって?
Q:
正座をすると、必ず足がしびれてしまいます。どうすればいいですか?
A:
正座は足がしびれて苦手という方は、最初から足をくずしても構いません。ただ、最初から足をくずせない状況で、途中でしびれてしまった場合は、「足がしびれてしまったので、くずしても構いませんか?」とお断りをしてから足をくずしましょう。ただこの場合も、会話の流れをさえぎらないように気をつけたいですね。
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3. | 投稿者: マンマ
2009年02月20日

海外や欧米人のパーティーにお呼ばれする際、玄関先でホスト、特に奥様にすぐにおみやげを渡すことが多く思うのですが、日本式に居間まで持って行ってしまい、いつも渡すタイミングを迷います。
また、マナーとして気を使ったり、遠慮したり(日本人は尋ねたお宅の冷蔵庫を勝手に開けて飲み物をとったりしませんよねえ?)で結果消極的なお客様となってしまい、いつまでも馴染めない事も多々あるきがします。
内外のマナーの違いについて、是非教えてください。

2. | 投稿者: ブルドック
2008年03月22日

こんにちは。いつも、新しい記事を楽しみにしております。今回も、あっ、そうなんだ・・・が、沢山あり、とっても勉強になりました。手土産を渡す時、『つまらないものですが・・・』を、私もいつも使っていました。本当は、渡す相手を考えて、選びました。の、気持ちをこめて渡したほうが、相手の方も気持ちよく受け取ってもらえますよね?これからは、自分の言葉で、気持ちをこめて、お土産を渡したいと思います。 
訪問先で、お茶やお菓子をいただいて、残してしまったとき、最低限何を気をつけたら失礼にならないでしょうか?

1. | 投稿者: ルーニー
2008年03月21日

前々から「つまらないものですが…」と言うのは、つまらないものを持ってきたということで逆に失礼にあたるのではないかと思っていました。
「お口に合うといいんですが」といえば悪い気もしませんね。


訪問してくれた人が手土産を持ってきてくれたときに、
その場で出した方がいいのかどうか悩みます。
ケーキや果物など日にちがもたず、その場ですぐ食べられるものは
出してしまったりするのですが、失礼にあたりますか?

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