夜明けの光の美しさを禅寺修行で実感

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瑞龍寺」(外部サイトへ)
臨済宗「瑞龍寺」。この一番奥に坐禅の修行道場がある。
私はその昔(20年くらい前)、禅宗の寺の照明という珍しい仕事を手掛けたことがあります。それは岐阜県にある臨済宗「瑞龍寺」という寺で、坐禅修行の専門道場で名高い寺です。
仕事に取り掛かる前に、まずはお寺での生活を知らなくてはと考え、一日禅僧体験をしたのですが、このとき、普段は見ることのできないとても印象的な光の体験をしたのです。
そこではまず、午後9時には床について、翌朝午前3時に起床してお経を唱えることから始まります。
臨済宗の経はビートが早く、まるでロックミュージックのようでもありました。
私は、初めての体験にわくわくしながらじーっと本堂の片隅で座していました。そして午前4時からは坐禅修行です。唾を飲み込む音さえ響くような静寂の禅堂のなかは、禅を組んでいる2時間ほどの時間の中で、暗かった空間にゆるやかに光が満ちていき、白々と夜が明けていくのです。以前、太陽が沈んだあと、その反対側の空から青い光に包まれていく話を
『ブルーモーメントから始まる美しい時間』でしましたが、これはいわば“朝のブルーモーメント”ともいえる時間帯であり、その中で自分の心と向き合いながら1日の始まりを感じるのです。その後、寺の掃除を終え、朝食をとるのですが、それでようやく午前7時を過ぎた位です。1日を長く楽しめるようで、少し得した気分になれますよね。
この貴重な体験は、日ごろ夜型の生活を送っていた私にとって、とても新鮮でした。
そしてこの貴重な体験を元に、私は道場の光をデザインしました。
それは繊細な朝の光を生かすために、坐禅を組んでいる修行僧たちの目に人工の光を感じさせないこと、それでいて空間には十分な明るさを確保できるよう考慮した天井照明となりました。
ところで、このとき私が体験し、たった1日限りの禅修行は、「ZEN」という表現で日本を代表する思想としてヨーロッパでも広く知られているものです。ずいぶん前のことになりますが、無駄をそぎ落としたミニマムなインテリアや和を感じさせるシンプルなデザインの商品群は、“ZEN STYLE”と呼ばれてフランスを中心にブームとなり、日本に逆輸入されたほどです。
私はこのZEN STYLEを、エコロジカルな行為として暮らしに取り入れてみたら面白いのではないかと思ったのです。
早寝・早起きがもたらすものとは?
光のソムリエ的 ZEN STYLE 実践プラン
さて、ここで具体的な実践プランを紹介いたしましょう。開始は土曜日の夜です。
土曜日 PM9:00 就寝
夜遊び・夜更かししがちな土曜日ですが、ぐっとこらえてさっさと家に帰り、軽めの夕食を済ませたらお風呂に入って、速やかにベッドへ直行してください。
日曜日 AM4:00 起床
くれぐれも室内の明かりをつけたりしないようにお願いいたします。
さあ、窓を開けて、まだ暗くて少しひんやりとした空気を堪能してください。
テラスや庭があれば外に出て、ゆっくりと満ちてくる薄青色の光、それから次第に白く明るんでくる空、見る景色に影が与えられ、平面の世界から立体の世界へと変貌していくさま、夜から朝に向かって移りゆく空気感を全身で感じてください。耳を澄ませば、小鳥のさえずりも聞こえてきます。
これがまだ手つかずの、まっさらな1日の始まりです。自分がすごくフレッシュになったような気分になれますよ。
そしてこのプランには、うれしいオマケがついています。それは、日曜日を丸々1日、堪能できることです。土曜日に夜遊びすると、目が覚めたら日曜の昼下がり…なんてことにもなりがちですよね。
ぼんやりしているうちに夜になり、何もしないままに「明日からまた仕事かぁ」と、あっという間に日曜日が終わってしまったということもあるのではないでしょうか。日曜日に早起きして、夜明けの光を感じた後は、家じゅうを掃除してもいいし、たまった洗濯物だって片付くし、まだ涼しいうちに近所を散歩してもいいし、丁寧にコーヒーを淹れて投函されたばかりの新聞を読むことだってできる。そしてその後にもまだまだ時間はたっぷり残っています。
早起きは三文の得とはよくいったものです。光のソムリエ的 ZEN STYLEで、無理なく楽しいエコを実践してみてはいかがでしょうか。
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