「雨」を生かした伊豆のオーベルジュ
私がライティングデザインを手掛けた「arcana izu(アルカナ イズ)」は、2007年にグランドオープンした伊豆湯ヶ島にあるオーベルジュです。
オーベルジュというのはレストランに宿泊施設がついた小旅館のことで、ここ「アルカナ イズ」では、旬の食材を使ったフレンチをいただくことができ、露天風呂付の客室でゆっくりと過ごすこともできます。
しかし伊豆は雨が多いのが難点。せっかくお客さんに来てもらっても、雨で残念だったと思われてしまうかも知れません。そこで、雨の多さを逆手にとって、雨の日にこそ来てもらいたいと思えるような光の演出をしてみよう!と私は考えたのです。
雨を見せるライティングという発想は、このプロジェクトを手掛ける前からずっと私の中にありましたが、それに挑戦するきっかけとなったのは、とある結婚式場のコンペでした。
人はみな結婚式当日には晴天を、と願うものです。「雨降って地固まる」というお決まりのフレーズはあるものの、雨を歓迎するカップルは稀でしょう。しかしながら結婚式は人生で一度(何度か経験される方もいらっしゃるでしょうが)の大イベント。雨でがっかりするよりも、雨だからこそ素敵な式だったと思えるような演出ができないものか、と考えたのです。
こんな風に逆転の発想で人生をより楽しいものにするのも、ライティングデザイナーの務めといえます。
東海林流「アルカナ イズ」を楽しむためのシナリオ
「アルカナイズ」は大人のための隠れ家的なオーベルジュなので、ぜひ大切な人と2人で訪れてみてください。そして到着は必ず、雨の日の夕方にしてください(!)。なぜならそれが、伊豆湯ヶ島のしっとりとした雨と光の饗宴を楽しむ絶好のタイミングだからです。
レストランは、伊豆の緑に向かって一面がガラスの壁のようになっています。じつはその緑の中には、雨をライトアップするための照明が設置されていて、席に着いて窓の外を眺めると、キラキラと輝きながらしっとりと降り注ぐ光の雨を楽しむことができるのです。
雨粒がきらきらと煌く風景を眺めながら、おいしいフレンチを召し上がっていただければ、きっとロマンチックな時間を過ごしていただけるのでは、と考えて作った仕掛けです。
雨の夜を楽しむ方法
カーテンを開けて雨に光を当ててみよう
さて、この雨の演出は、自宅でも気軽に楽しむことができます。
室内を少し暗くしてベランダや庭に屋外用のスポットライトを置くのです。
雨の夜こそカーテンを開けて、お気に入りの音楽でも聴きながら、自然の恵みを満喫してはいかがでしょうか。
ちなみに、私の著書「デリシャスライティング」(TOTO出版)でも、雨の日の照明術についてご紹介していますので、そちらもよければ参考にしてみてくださいね。
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三井の住まいへ
梅雨入りして、「雨ってホントにイヤだなぁ」と感じていたところだったんですが、そんな雨でも照明を使えば、素敵な空間をつくってくれるものになるんですね。
自宅での照明術にチャレンジしてみたいな〜と思いつつも、やっぱり「アルカナ イズ」でおいしいお料理を食べながら、ゆっくり雨の景色を楽しんでみたいです(笑)。