2008.08.18  グリーンのある暮らし
むかしからあったグリーンリビング
日本の気候は四季の変化が大きく、春と秋は暮らしやすくても、夏は高温多湿、冬は低温乾燥となります。
そういう気候の中で長い間培った、快適に暮らす知恵がわが国にはあります。
ここでは、わが国に伝わるグリーンリビングについて考えます。

玄関から奥の坪庭へと風の通り道が確保された「京の町家」。
Point1
伝統的グリーンハウス、京の町家

わが国の伝統的なグリーンハウスといえば、何といっても「京の町家」(外部サイトへ)でしょう。町家は、都市住宅のため両サイドは隣家、間口が狭く奥行きの長い間取りとなっています。道路から奥まで伸びた通路は通り庭と呼ばれ、家屋の奥に設けられた坪庭まで繋がっています。道路に面した玄関先が風の入口、いちばん奥の坪庭が風の出口で、通り庭は、風の通り道となっているのです。この通り庭は、屋根までの吹き抜けで、天窓があるので外光が差し込みます。浴室・便所といった水回りが、いちばん奥に配置されているのは、臭いや湿気を住まいに持ちこまない知恵です。通り庭の中ほどにある台所には、「おくどさん」と呼ばれるかまどがありました。土間に設けられているので、ご飯を炊いた熱が床に伝導して家を暖め、京都の厳しい冬を過ごしやすくしたことでしょう。家中に広がるかまどの煙は、木部を乾燥させ、黒くいぶしますが、煙に含まれるタール(木タール)が、防虫効果も発揮し、家の耐久性をアップさせました。いぶされた古材は美しいですね。
マンションのバルコニーに、簾や葦簀を掛けて夏の強い日差しを遮る。
Point2
住まいに涼をもたらす伝統のアイテム

夏になると、母が茶の間と客間を隔てる衝立の衣替えをしていたのを覚えています。絵のある板が外されて、竹で編んだものに変わりました。今になってみると1m四方の衝立が風通しを格別に変えたとは思えないのですが、変身するのがおもしろかったのと、透け感がおしゃれだったと記憶しています。
むかしの日本家屋は、夏仕様と冬仕様に変身するアイテムがありました。夏になれば風通しのよい夏障子をはめ、冬になれば寒さを防ぐ襖や板戸に変えます。夏障子は簾戸(すど)ともいいます。家屋の軒先には、簾(すだれ)を掛けたり葦簀(よしず)(外部サイトへ)を立てかけたりして日射を遮りました、立てかけた葦簀に水をかけて、気化熱反応で涼風を得るというウルトラ・テクニックも使ったようです。今年はクーラー嫌いの母の部屋の窓の前に葦簀を立てかけています。葦簀は水をよく吸い込むので、長い間効果が持続しそうです。コンクリートによる河川工事で、葦簀の材料となる葦(あし)が取れなくなっていると聞いています。葦は河川に趣を添えてくれるだけでなく、河川の水を濾過するなどの効果も見直されています。
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